写真は遊びの山に咲きだした「ウワミズザクラ(上溝桜)」。この花の蕾の塩漬がおいしいという。
久しぶりに、我々と同じ公園で「食育」活動をしているグループのサポート。サポートと言っても、薪釜でのご飯炊きと湯沸しが担当。それに、今回の食育のテーマ「櫻餅をつくる」の関連で、この山の「櫻ツアー」に一般参加者を案内することである。
さて、繰り返しになるが、本日の食育のメインは「櫻餅」を作って食べること。「櫻餅」には、大きく分けて2種類あるそうで、ひとつは、小麦粉などの生地を焼いたクレープ状の皮で餡を巻いたお餅で、関東で主流の「長命寺餅」。もう一つは、もち米を蒸して乾燥させ、粗挽きした「道明寺粉」で皮を作り、餡を包んだまんじゅう状のお餅で、関西が主流の「道明寺餅」。
この日みなさんが作ったのは、ここは関西ではあるが「長命寺餅」の方。小麦粉、米粉を水で溶いたものをホットプレートで薄くクレープ状に焼いて生地を作り、それで餡(あん)を包む。この山で採集し、櫻の中では一番葉が大きい「オオシマザクラ」の塩漬けにした葉を巻いて、櫻の花を添えたら出来上がりである。
櫻餅ができたら、櫻ツアー。いまが盛りの「ヤマザクラ(山櫻)」、もう散ってしまった「エドヒガン(江戸彼岸)」、「ソメイヨシノ(染井吉野)」、「オオシマザクラ(大島櫻)」、いまが盛りの「ヤマザクラ(山櫻)」、ちょっと見には櫻とは思えない花の形だが、咲き始めた「ウワミズザクラ(上溝桜)」、しばらく遅れてから咲く「イヌザクラ(犬櫻)」などこの山に咲く櫻や、「エドヒガン」の実生苗などについて、園内を回りながら説明する。
櫻ツアーが終わる頃には、すっかりご飯も炊けて、屋外でヤマザクラを見ながらの楽しい食事が始まる。メニューは、5分づき米を薪釜で炊いた「菜の花ご飯」、「セリと油揚げのお吸い物」、「野蒜(のびる)の酢味噌和え」、ちょっと珍しい「こごみのお浸し」、「レタス、ラディッシュ、ミズナのサラダ」。そしてこの日のテーマの「長命寺風櫻餅」。いずれもこの地域で採れる食材を使った春の季節感一杯のメニュー。私はただサポートしただけであるが、お相伴にあずかる。春を一杯に喰った一日に、満足の一言 ・・・。
さて、秋の夜更けだけではなく、ちょっと底冷えのする春の宵、冬に逆戻りしたかのように、空気が冷えて透明感が深まった宵に聴くピアノは、イタリアの叙情派ピアニスト、「アレッサンドロ・ガラティ/Alessandro Galati」。イタリアは花の都「フィレンツェ」生まれのピアニスト。「ビル・エヴァンス/Bill Evans」を敬愛してやまないという。強面の顔に似合わない繊細な美メロと独特の詩情と哀愁を奏でるのが魅力。内省的で微妙な感情が表現されているソロ演奏アルバム、「All Alone」、ベースとのデュオ・アルバム、「Imaginerie」もいいが、イタリアの美しい曲と本人のオリジナルで構成されたピアノ・トリオ作品、「キュービック/Cubicq」も美しさと詩情にあふれる作品。アルバムのラストを飾るソロ・ピアノ曲、「Nuovo cinema paradiso/ニュー・シネマ・パラダイスのテーマ」を聴けば、まさにあの映画のシーンが浮かんでくる。
キュービック
アレッサンドロ・ガラティ・トリオ / BLUE GLEAM
「Nuovo cinema paradiso」がYOUTUBEにアップされていませんので、前に紹介したかもしれませんが、何回聴いても、年甲斐もなく胸がキュンとなる「mary prayer」を ・・・。
「Alessandro Galati Trio - mary prayer」