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大屋地爵士のJAZZYな生活

早逝のシンガー・ソングライターが誘う癒しの世界

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何年か前に故郷・松本で買い求めた「七夕人形」を、今年も飾った。松本の七夕は、旧暦で行われる。短冊を笹や竹につるして飾る一般的な「七夕飾り」と共に、男女一対の木製や和紙製で作られた「七夕人形」を軒下につるしてお祝いをするのである。この「七夕人形」を飾る風習は、江戸時代から今に伝えられている風習で、お雛様や五月人形と同じように、赤ちゃんの誕生の初節句に、その健やかな成長を祈って贈られる人形である。(参照拙ブログ「ふるさとエレジー(2) ~七夕人形がつなぐ想い~」) 孫娘が生まれると分かった年の七夕から、毎年、新暦のこの日から旧暦まで、この故郷の人形を飾ることにしている。

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盆も近づくこの時期になると、不幸にして願いかなわず、早逝してしまった女性ジャズ・シンガーを思い出す。「べヴァリー・ケニー/Beverly Kenney」、「エヴァ・キャシディ/Eva Cassidy」、ノルウェイの「ラドカ・トネフ/Radka Toneff」などが浮かんでくる。そんな歌手ほど癒し系の様な気がする。「ジュディ・シル/Judee Sill」も、シンガー・ソングライターではあるが、そんな一人である。

「ジュディ・シル」。私と同世代の、1944年生まれのアメリカのシンガー・ソングライター。1970年代初頭のわずかな間だけ、音楽シーンに浮上したが、1979年に薬物の過剰摂取によって、35歳の若さで他界。それまでにリリースしたアルバムは、たった2枚である。彼女は、子供の頃に親兄弟と死別、養父のDVで家出、放浪を繰り返し、10代で結婚したが、すぐ離婚。その後、ドラッグや犯罪に手を染めて刑務所行きというお決まりの転落コースをたどったうえで、ついにコカインの過剰摂取により1979年11月に死亡。その彼女の歌にスポットライトが当たったのは、今世紀になってのことだという。

死後、未発表の音源などで構成され、リリースされたアルバムなどもいくつかあるが、生前にリリースされたオリジナルの2枚こそが、彼女の生き様やアイデンティティを雄弁に語っている。1971年発表のファースト・アルバム「ジュディ・シル/Judee Sill」と、2年後にリリースされた、「ハート・フード/Heart Food」の2枚である。

これらのアルバムからは、ヒッピー・ジェネレーションの典型的ともいえるような波乱の青春時代を送り、挙句の果てに悲惨な死を遂げた彼女の人生からは、全く想像できないような穏やかで優しく、信仰心に溢れた「癒しの世界」が見えてくる。きっと彼女は現在の不道徳で穏やかならざる自分と、それとは全く違う本質的な自分がよくわかっていたのでしょう。だからこそ、本質的な自分が生きたい世界を、歌に託して表現したのでしょう。

ミステリアスな「モダン・フォーク系シンガー・ソングライター」と称された、「ジュディ・シル」が1971年に発表したファースト・アルバム。長い間、幻の名盤と言われたが、2013年デジタル・リマスタリング盤として再発売。私もこの盤で初めて彼女を知った。

ジュディ・シル

ジュディ・シル / ワーナーミュージック・ジャパン



「Judee Sill - Lady-O」

         

1973年発表したセカンド・アルバム「Heart Food」。彼女のやさしい歌声とやわらかで純粋な音の世界は、40年後のいまなお、人々を「癒しの世界」へといざなう。

ハート・フード

ジュディ・シル / ワーナーミュージック・ジャパン



セカンド・アルバムから「the kiss」をライブで ・・・。

「JUDEE SILL - the kiss - Live 1973」

          
by knakano0311 | 2013-07-08 10:19 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)
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