開業100年を誇る地域の電鉄会社、「能勢電鉄」が、2年ほど前から、主として地域の高齢者を対象とした地域を学ぶセミナー、「のせでん悠遊セミナー」を開催している。テーマは郷土史から特産品と多岐にわたっているが、やはり、郷土に係わる歴史のテーマが多いようである。
今回は、「悠久の人・高山右近 ~郷土から見たキリシタン大名“高山右近”~」というテーマ。講師は大阪府文化財愛護推進委員の「上山秀雄(うえやま ひでお)」氏。戦国時代から江戸初期にかけての武将でカトリック信仰を貫いたキリシタン大名として知られる「高山右近」についてのセミナーである。
「高山右近」。1552年(天文21年)ごろ、私の住んでいる街に隣接する大阪府豊能町高山に生まれ、父、「飛騨守(ダリオ)」の影響で、奈良県宇陀市にあった沢城にて洗礼を受ける(洗礼名;ジュスト)。信長や秀吉に仕えたが、1587年秀吉のキリシタン禁令でも信仰を捨てず、所領没収のうえ加賀前田藩に預けの身となった。さらに、「徳川家康」のキリシタン禁教令で1614年、フィリピンのマニラに国外追放となり、翌1615年、当地で亡くなった。(写真はカトリック高槻教会にある右近像 NETより拝借)
こんな「高山右近」の生涯や時代背景、豊能町に残る右近や隠れキリシタン遺跡などについて講義があったが、ちょうど、時を同じくして7月11日の朝日新聞のローカル面に、「高山右近」を没後400年の2015年までに、カトリック最高の尊崇対象である「聖人」に列してもらおうと教会関係者が運動しているという記事が載っていた。とりあえず、聖人の前提となる福者認定を目指しているという。現在、出された申請書に対し、ローマ法王庁(バチカン)で事前審査中だという。
もう一つのトピックスは、これまた7月17日の朝日新聞夕刊に載っていた「細川ガラシャ」の記事。(写真は堂本印象作、カトリック玉造教会壁画下絵、NETより拝借)
「細川ガラシャ」。「高山右近」に遅れること11年、1563年(永禄6年)に「明智光秀」の三女として越前国に生まれる。15歳の時に、「織田信長」のすすめによって「細川藤孝」の嫡男「忠興」に嫁いだが、1582年(天正10年)、「本能寺の変」により、彼女は「逆臣の娘」となる。その後、忠興から幽閉、軟禁状態にされ、「高山右近」から聞いたカトリックの教えに心を魅かれていったという。
夫の忠興が九州へ出陣中に密かにキリスト教に改宗、「ガラシャ(Gratia)あるいは グラツィア」という洗礼名を受けた。その後、夫が徳川方についたため、関ヶ原の戦いの直前の慶長5年(1600年)、大坂玉造の細川屋敷にいた彼女を、西軍の「石田三成」が人質に取ろうとしたが、ガラシャはそれを拒絶し、カトリックは自害を禁じているため、家老に槍で自らの胸を貫かせて死んだ。
こんなガラシャの壮絶な生涯が、西洋に伝えられ、オペラにもなっている。1698年、オペラ「勇敢な婦人」がウィーンで初演され人気を博したという。その台本や原譜が315年ぶりに復元されたので、日本各地で上演される計画だという。(朝日新聞、Wikipedia参考)
私が住んでいる地域の周辺には、右近、ガラシャ、あるいは隠れキリシタンのゆかりの遺跡がいくつか点在している。そして、セミナーを聴きながら、以前廻った遺跡を思い浮かべ、彼らの信仰の強さや悲劇の話が400年近くたった今も伝承されていることに感銘を覚えるのである。
昨年の「平清盛」、今年の「新島八重」などNHK大河ドラマの主人公に関連する土地の観光人気は絶大なものがあるという。来年は「黒田官兵衛」、姫路、伊丹が関連する。「明智光秀」も含め、「細川ガラシャ」、「高山右近」などの大河ドラマ化を関連する街の町興し担当者は切望していると聞く。
さて、爺いが暑さの中、四苦八苦しながら古の歴史上の聖人について、勉強する一方、こんな「神童」のオススメメールが届いた。
曰く、『世界が絶賛!11歳の巨匠現る! 6歳で全米作曲家協会主催「モートン・グールド・ヤング・コンポーザー・アワード」を受賞し、ホワイトハウスでオバマ大統領の前で演奏する等、世界が注目する神童ピアニスト/作曲家がついにメジャー・デビュー! その才能にほれ込んだクインシー・ジョーンズがプロデュース』
「エミリー・ベアー/Emily Bear」。なんと11歳、何の苦労も味わったことがないような、屈託のない顔をしてジャズ・シーンに登場してきた若手?子供?がいるのです。アメリカ、イリノイ州出身。2歳でピアノを弾きはじめ、3歳で作曲をはじめたという「神童」だそうです。「クインシー・ジョーンズ/Quincy Jones 」もその才能にベタ惚れし、9歳の時に彼女を「モントルー・ジャズ・フェスティヴァル」に招待したという。そして、「エミリー・ベアー」の通算6枚目となるCDをプロデュースし、メジャー・デビューさせた。アルバムはまだ聴いていませんが、YOUTUBEからいくつか聞いた限りでは、タッチのあまさ、力強さにまだ物足らなさは残るものの、作編曲の才能は素晴らしく、「神童」という言葉に値するようである。
Diversity
Emily Bear / Concord Records
デビュー・アルバムから2曲ほど ・・・。彼女が6歳の時の作品で、全米作曲家コンテストにエントリーして、「モートングールド・ヤングアワード」を受賞した曲、「Northern Lights」。この曲を当時のアメリカ大統領「ジョージ・ブッシュ」の招きで、ホワイトハウスで演奏を披露したという。いかがなもんでしょうか?
「Emily Bear - Northern Lights」
そして、「Quincy Jones」のために作った曲「Q」。行く末が恐ろしや ・・・。
「Emily Bear - Q 」