『東京電力福島第一原発の建屋近くの地下水から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、1日あたり推定300トンの地下水が放射性物質で汚染され、海に流出しているとの試算を明らかにした。東電による汚染水対策は破綻(はたん)しており、政府は国費を投入して対策に乗り出す方針を固めた。』 (8月8日朝日新聞記事より)
福島第一原発では山側から海側に1日約1千トンの地下水が流れ込んでいる。東電はこのうち、原子炉建屋などへ約400トンが流れ込んで汚染水になっているとしていた。しかし、試算では、残り600トンの地下水のうち300トンが建屋周辺の汚染土壌の影響で汚染水となり、海に流れ出ているとした。漏れ始めた時期は特定できず、事故直後からずっと漏れ続けている可能性も否定できないという。
参議院選(7/21)が終わるのを待ったかのように、この類の情報が相次いで明らかになってきている。東京電力は経営的に破たん寸前でお金がないから、汚染水対策に政府が金を出すことを決めたという。
汚染水が土中から海に漏れている可能性、東電の経営破たんなどすでに分かっていたことである。「今さら何を ・・・・」というのが率直な感想である。原発再稼働や輸出に前のめりになる前に、事故終息、被災者対策、事故の原因究明、これも破綻している原発のごみ、放射能廃棄物の処理スキームの再構築をまず第一優先に行うのが、どう考えても筋であろう。なぜできないか?
かって、2011年5月17日に、このブログで
「任せておけるのか?」という記事を書いたことがある。最悪なことに、東電にはその当事者能力がないことが完全に露呈してしまった。
政府が代りにというが、こうなることは当初から心配されていたのに、いままで放っておいてきた前政権、そしてもっとも責任のある自民党政権。もう一度問いたい。この政府にまかせておけるのか?
汚染水漏れの問題をずっと前から指摘し、対策も提言してきた、「小出裕章 (京都大学原子炉実験所助教)」のYOUTUBE動画をアップしておきます。もうあきらめきったというか、怒りに満ちたというか、淡々と語る彼の沈痛な表情が印象的。
「小出裕章さん怒りのメッセージ」(2013/07/18公開)