ウォーキングの道筋、そのふくよかな薫りで楽しませてくれたが、先日の台風24号やその後の雨で、花の多くが散ってしまった「キンモクセイ(金木犀)」。
先回、「ボサノバ歌謡」に求められる要素として、女性ボーカル、シュールで外国語混じりの歌詞、ややハスキーで、儚げで、物憂い歌唱、アンニュイなムード、短調をキーとしたJAZZYなメロディとアレンジ、スローなテンポ、濃厚に漂う孤独や夜の雰囲気 ・・・ などをあげた。そんな要素や気分、ムードを持ち、多分「ボサノバ歌謡」をうたっているのではないかと思う歌手が何人かいる。YOUTUBEで調べてみたら、やはり出てくるは出てくるは ・・・・。そんな「ボサノバ歌謡な人々」を、続編としてまとめてみた。退屈しのぎに是非どうぞ。(埋め込みのない曲は色(太)文字部をクリックしてください)
真っ先に、いかにも「ボサノバ歌謡」を歌いそうなイメージの歌手は、「伊東ゆかり」。やはりありましたね。「ボサノバに泣いている」。なんというタイトル、ボサノバ歌謡もここに極まれりと言ったところでしょうか。彼女には
「愛するあした」という爽やか系のボサノバ歌謡もあります。
さて、次の「歌いそうな歌手」は、少し古くさいかも知れませんが、我々団塊世代のオヤジなら、多分誰でも知っているでしょう、われらが姉御、「沢たまき」。すこしドスに効いたハスキーな声と美貌で人気を博した歌手兼女優、そして政治家。ジャズ歌手として活動していたが、歌謡曲デビューは、「ベッドで煙草を吸わないで」。強烈な印象を与えた彼女が歌うのは、東京遊び場ご当地ソング、
「東京プレイマップ」。主演したTV映画「プレイガール」の主題歌だったと思う。そうそうこんなLPアルバムを青春時代の思い出として大事にしていましたね。
次も懐かしい人。歌唱力とパンチの効いた歌声で「ポップスの女王」ともいわれ、当時、「日本女性歌手史上最高の歌唱力」とも評されていた「弘田三枝子」。声質のイメージとしてはボサノバ向きではありませんが、ちゃんとあるのです。
「悲しみの足音」。やはり、歌唱力は抜群ですね。
さて、もう少しだけ若手?(といってももう50歳を超えてますが)、をあげてみましょうか?「八神純子」、「今井美樹」。この二人もいかにもありそうな雰囲気 ・・・。「今井美樹」の「PRIDE」は、かの「
ジェーン・モンハイト/Jane Monheit」が、英語詩でボッサ・アレンジにして歌っていることは既にご紹介しました。彼女には、「明るくなるまで」、「AQUA」、「泣きたかった」など、ボッサ・テイストの曲が多いように思う、
「八神純子」。日本のPOPS界における草分け的なシンガー・ソングライターと言ってもいい存在である。結婚後、アメリカに渡ったが、近年、NHK総合TVの「SONGS」に出演し、その健在ぶりを見せてくれたことも記憶に新しい。その彼女のデビュー曲が、なんと「ヤマハ・ポピュラーソング・コンテスト優秀曲」となった、ボサノバ歌謡「雨の日のひとりごと」。続けて、こちらは、昨年8月に夫でロック歌手の「布袋寅泰」ら家族とともに、ロンドンへ移住した「今井美樹」。そのライブから「明るくなるまで」を ・・・。
まっ、すべて女性歌手です。我らが世代の男性諸氏、「恋人も濡れる街角」くらいならなんとか、それ以外ではカラオケで歌えるボサノバ歌謡がない ・・・。うん、わかります、その悩み。
ご安心召され。最後は、あっと驚く異次元フュージョン、究極のボサノバ演歌、「吉幾三」の「酒よ」 !!!
「吉幾三」。青森県北津軽郡金木町(現・五所川原市)出身。歌手、作詞家、作曲家、ラッパー、俳優、タレント。演歌系では数少ないシンガー・ソングライターであり、かってフォーク歌手を目指したこともあり、ラッパーでもあった。多分本人が唄いたかったでしょう、ボサノバ・バージョン。ノリもばっちり、これだけ演歌と相性が良い??とは ・・・。ボサノバ歌謡が進化を遂げた理由がわかります。ただし、このバージョンのカラオケがあるかどうかまでは知りませんけど ・・・・。
ボサノバから歌謡曲へと日本で進化していった「ボサノバ歌謡曲」。改めて歌っているこの顔ぶれを見ても、「ボサノバ歌謡曲」は、最後の歌謡曲世代であろう「団塊世代」の音楽、すなわち「懐メロ」化してしまったことが、見て取れるのである。