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大屋地爵士のJAZZYな生活

盂蘭盆会に聴いてみた夭折のシンガー  ~カレン・ダルトン~

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ひところより大分減ったと言われるが、うるさいほどに鳴いている。「アブラゼミ(油蟬)」である。「アブラゼミ」という名前の由来は、鳴き声が油を鍋で熱したときに撥ねる「ジリジリ」という音に似ているため、「油が撥ねる音の様に鳴く蝉」から「油蝉(アブラゼミ)」と名付けられたとされている。ウォーキングする耳に一際際立って飛び込んでくるその鳴き声。

セミの寿命は地上に出てから、1週間くらいと短命の代表のように言われてきたが、実際にはもっと長く生きるようだ。羽化後、天敵(鳥やカマキリ、人間など)に襲われなければ、3週間~1ヶ月程度だそうで、幼虫として地下での生活をする期間は3-17年(アブラゼミは6年)に達し、短命どころか昆虫類でも上位に入る寿命の長さをもつという。(Wikipedia参照)

俗説である短命という蝉の寿命になぞらえるわけではないが、お盆近くになると、時々早世の女性シンガーを聴き、彼女らを偲んでブログを書く。 (参照拙ブログ「夭折のミューズたち ~盂蘭盆に偲ぶ~」「早逝のシンガー・ソングライターが誘う癒しの世界」 など)

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さて、今回は聴いてみたのは、たまたまYOUTUBEで知ったフォーク・シンガー、「カレン・ダルトン/Karen Dalton」。やや甲高いハスキーなかすれた声 ・・・。「そのバックボーンに何かある」と直感するほど特徴的な声である。調べてみると、エキセントリックな行動と、アルコール、麻薬漬けの生活を送り、商業的な成功もおさめることなく、たった2枚のアルバムを残して、最後はホームレスのような生活を送って、55歳の若さで死去したという。しかし、12弦ギターとバンジョーを弾きこなし、「ボブ・ディラン/Bob Dylan」の自伝には、「彼女は僕の一番好きな女性ブルースシンガーだ。・・・ ビリー・ホリデーのような声を持ち、ジミー・リードのようにギターを弾き、そのスタイルを貫いていた」と記述されているという。そして、彼女の死後10数年たってから、やっと評価され、未発表音源を収録した盤が発売された。

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「カレン・ダルトン」。1938年7月19日にオクラホマ州で生まれ育つ。母親は純粋のチェロキー族であるというから、写真からもそんな感じが窺えるように、ネイティブ・アメリカンの血を強く引いている。1,000キロの道のりを真冬に徒歩で強制移住させられたという悲劇の部族チェロキー族の血を ・・・。1960年代初頭のNY、グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンに、突然彗星のごとく登場したという。彼女はソングライターというよりも、トラディショナルやフォーク・ソングを自分の色や世界に作り替え、そのオリジナルな世界で聴く人を魅了した。、そんなことから、ジャズシンガーの「ニーナ・シモン/Nina Simone」や「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」等と並べて語られることも多い。

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寡黙で、繊細な雰囲気を持つ彼女は、「フレッド・ニール/Fred Neil」や「ボブ・ディラン」等、当時のフォーク・シーンのトップ・アーティストをたちまち虜にしたが、彼女は極端に人前に出る事を恥ずかしがる繊細な性格だったため、ファースト・アルバムは、「フレッド・ ニール」のアルバムを制作する際に、スタジオで行われたセッションをこっそり録音して制作しなければならない程だったという。そんな性格のためか、商業的には成功することなく、1980年後半には悲惨な生活を送り、アルコール中毒と薬物漬けになって、たった名盤2枚を残して、1993年、ニューヨークで死去した。1969年、「It's So Hard To Tell Who's Going To Love You The Best」と、1971年、「In My Own Time」の2枚 ・・・。(Wikipedia など参照)

「フレッド・二ール」のカヴァーで始まるファースト・アルバム、「It's So Hard To Tell Who's Going To Love You The Best」は、弾き語り。この時代にありがちな反戦歌などを声高に歌うのではなく、色濃く反映されているのは、彼女の生活体験に深く根ざしているように思える独自のブルースと言ってもいいような世界。

It's So Hard To Tell Who's Going To Love You The Best

Karen Dalton / Megaphone



聴いてみましょうか、ただひたすら迫害され続けたインディアンの末裔が歌う静謐でブルージーな歌声を ・・・。フルアルバムがアップされていました。

「Karen Dalton - It's So Hard to Tell Who's Going to Love You the Best (Full Album)」
 
          

セカンド・アルバムはトラディショナルに加え、「パーシー・スレッジ/Percy Sledge」の「男が女を愛する時」や「ザ・バンド/The Band」の「In a Station」のカバーなど。ストリングスなどを含むバンドがサポートしています。

In My Own Time

Karen Dalton / Light in the Attic



これもフル・アルバムがアップされていました。

 
「Karen Dalton - In My Own Time (Full Album)」

          
by knakano0311 | 2014-08-17 00:02 | ミューズたちの歌声 | Comments(0)
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