さては『断捨離』とばかりに ・・・。いや、そんな大げさなことではないのですが、部屋のあちらこちらにうず高く積まれた本。新しい本を買う前に、この「積ん読状態」を解消せねば ・・・と、思い立った。いくつかの本を精力的に読み始めたのだが、子供の頃の好奇心、冒険心、大人への憧れや畏れ ・・・、そんな瑞々しい感情を思い出し、なにか清々しい読後感に満たされた本があった。「湯本香樹実(ゆもと かずみ)」著、「夏の庭」。
新発見 ・・・。
小学6年の夏、ぼくと山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。一方、観察されていると気づいたおじいさんは、憤慨しつつも、やがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。ぎこちなく触れあいながら、少年達の悩みとおじいさんの寂しさは解けあい、忘れられないひと夏の友情が生まれる。 ひとり暮らしの老人と子どもたちとの奇妙な交流を描いた中編小説。世界各国でも翻訳出版され、映画や舞台にもなった児童文学の名作であるという。(紹介、解説より)
夏の庭―The Friends (新潮文庫)
湯本 香樹実 / 新潮社
さて、タンスの肥やし状態からのジャズアーティストの再発見も順調にすすんでいます。第2弾は、「Trio X of Sweden」。買い求めたきっかけはすっかり忘れてしまったが、その大層な名前に、なにか怪しげな、関西弁で言う「パチモノ」的印象を感じ、タンスの奥深くしまいこんでしまったに違いない。
「レナート・シモンソン/Lennart Simonsson (p)」、「パー・ヨハンソン/ Per V Johansson (b,elb)」、「ヨアキム・エクバーグ/Joakim Ekberg (ds)」の3人によって、2002年に結成されたスウェーデンのピアノ・トリオである。詳細なことはわからないが、これまで国内外で数多くのツアーを成し遂げ、スウェーデンでは結構知られたトリオだという。参考までにHPは、
ここ 。
タンスの肥やしになっていたのは、そんな彼らが、これまでの成果を一枚のアルバムに結実という「トロイメライ/Traumerai」(2012)。そう、タイトル曲シューマンのトロイメライ、バッハのアリア、ベートーベンの月光 ラベルのボレロなど、クラシックの楽曲を彼らなりのプログレッシヴな方法で、ジャズ化した作品。ところどころ、e.s.tのような雰囲気も感じますが、やはり同じスウェーデン出身だからでしょうか、北欧ジャズ・ピアノ特有の乾いた空気と叙情性、ロマンティシズムを感じさせます。
再発見 ・・・。
「トロイメライ/Traumerei」という言葉は、ドイツ語で、「白昼夢」、「幻想」、「夢想」を意味する言葉。ひと夏の夢 ・・・、遥か昔過ぎ去った少年時代の夢 ・・・。
Traumerai
Trio X Of Sweden /
その中から、バッハのアリアを ・・・。
「Trio X Of Sweden - Air ( J.S. Bach) From Orchestral Suite No 3 BMW 1068」