買い物の帰り道。通りかかった泥田に、例年通り「蓮(はな)」の花が咲いていた。50㎡ほどであろうか、小さな田であるが、「蓮根(れんこん)」を栽培しているのであろうか、いつもお盆近くのこの時期になると咲いて、通りかかる人の眼を楽しませてくれる。お盆近くというこの花の咲く時期と、死者の魂の清らかさの象徴として、蓮華の持つ仏教的意味とがこれほど一致している花も珍しいのでは ・・・。
さて、今宵のタンスから引き出したアルバム、アーティストはフランスのジャズ・ピアニスト、「マルク・デシャン/Marc Deschamps」が、2010年にリリースしたピアノ・トリオ・アルバム、「シュクレ・サレ/Sucre sale」である。日本では、ほぼ無名の存在。知ったのは、レトロな町並みにブティックが軒を連ねているので、若い人たちに人気の神戸、栄町。残念なことに、今はクローズしてしまったが、そこにあった個性的なCDショップ、「ディスク・デシネ/disques dessinee」で、薦められて買い求めたもの。(参照拙ブログ
「神戸栄町通り界隈をあるく ~多彩な個性が集うレトロな街~」 など)
「マルク・デシャン」。1957年生まれの作・編曲家。若干6歳でピアノをはじめ、15歳でジャズに目覚め、名門バークリー音楽大学へ留学した後は、パリのクラブで長くプレイしたり、ミュージカル、TV番組や映画音楽の作・編曲など、ピアニストとして多彩な活動を行っているという。
アルバム名、「シュクレ・サレ/sucré-salé」とは、「甘塩っぱい味付け」と言う意味だそうで、なるほど、甘く儚く、切なげな美しいメロディ・ラインをより際立たせるための仄かな塩味も感じる。全14曲オリジナル、トリオでの演奏を軸に、デュオ、ソロなど、スタイルにも変化を付け、程よい加減のラテンやブラジル音楽のエッセンスも感じる。いずれの曲もクラシカルで、ロマンチックで、美しい美メロ、そして流麗なタッチが心地よい。エスプリに富んだ小洒落たフレンチ・ジャズ。
シュクレ・サレ
マルク・デシャン / フ゜ロタ゛クション・テ゛シネ
2010年11月のライブから、トラック順に4曲、「Baladadidou/バラダディドウ」、「Rosalie/ロザリー」、「Sucre sale/シュクレ・サレ」、「Adeus melancolie/アデュー・メランコリー」。パーソネルは、「Marc Deschamps(p)」、「Pierre Guillemant(b)」、「Vincent Cordelette(ds)」。
「marc deschamps ‐ baladadidou」
「marc deschamps ‐ rosalie」
「marc deschamps ‐ sucré-salé」
「marc deschamps ‐ adeus mélancolie」