「錦織 圭」選手、全米オープンは残念な結果であった。血の出るような努力で自らの夢を叶えるチャンスに挑んだ2週間、にわかテニスファンの私たちにもドキドキするような2週間であった。これで潰えたわけではない、まだまだチャンスはある。
ところで、人生で夢を持たない人は多分いないでしょう。しかしその夢を目指しても、挫折し、叶わなかった人がほとんど。そんな夢が叶わなかった誰もが通る道がある。「The Boulevard of Broken Dreams」。今、自分の人生を振り返ってみると、この歌が心に染み入りある種の感慨を覚える。久しぶりの「60歳過ぎたら聴きたい歌」は、「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス/The Boulevard of Broken Dreams」。「破れし夢通り」とでも訳しましょうか ・・・。ハリウッドの「サンセット大通り/Sunset Boulevard」に擬せられることが多いという。
さて、70歳に近くなった爺いの私にも、まだ夢はありますよ。秘密ですがね ・・・。
「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス」。アメリカのロックバンド、「グリーン・デイ/Green Day」のヒット曲に同名のものがありますが、それとは違います。1934年の映画「ムーラン・ルージュ/Moulin Rouge」のために書かれた作曲家、「ハリー・ウォーレン/Harry Warren」と、作詞家、「アル・ダービン/Al Dubin」の手になるもの。
「アメリカン・ドリーム」を夢見た人たちが、大都会の現実の厳しさに直面し、夢半ばで挫折する。その夢が華やかな世界であればあるほど落胆は大きいかもしれない。夢を持ち、夢破れ、「ジゴロ」と「ジゴレット」に落ちぶれてしまった人々の哀愁を都会的なメロディが鮮やかに映し出す。あまたの夢破れし人たちに ・・・。
【 The Boulevard of Broken Dreams 】 ハリー・ウォーレン作曲、アル・ダービン作詞
「♪ I walk along the street of sorrow, 哀しみの大通りを彷徨う
The Boulevard of Broken Dreams; 「夢破れ通り」と名付けられた通りを
Where gigolo and gigolette そこはジゴロやジゴレットが
Can take a kiss without regret, 悔やむことなくキスできる場所
So they forget their broken dreams. 彼らの夢が破れ去ったことを忘れるために
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
多くのジャズ・シンガーのカバーがあるが、ちょっと思い出しても「ダイアナ・クラール/Diana Krall」、「ジャシンサ/Jacintha」、「エイミー・ワインハウス/Amy Winehouse」、「グレース・マーヤ/Grace Mahya」、「ウンサン/Woong San」など、映画の中では「コンスタンス・ベネット/Constance Bennett」が歌ったためか、女性シンガーが多いようだ。しかし、私には男性歌手の方が、なんとなくリアリティがあって共感できるような気がする。そこで選んだのは、大御所、「トニー・ベネット/Tony Bennett」と「スティング/Sting」のデュオ。アルバムは、なんと豪華な顔ぶれとのデュエットでしょう、「デュエット/Duets: An American Classic」。
Duets: An American Classic
Tony Bennett / Sony
「Tony Bennett duet with Sting - The Boulevard of Broken Dreams」
とはいうものの、やっぱり「ダイアナ・クラール」は外せませんな。「フロム・ディス・モーメント・オン/From This Moment On」(2006)の日本版にボーナストラックとして収録されていました。
フロム・ディス・モーメント・オン
ダイアナ・クラール / ユニバーサル ミュージック クラシック
若きダイアナの1996年、「モントリオール・ジャズ・フェスティバル」でのライブ。絶妙のギターは「ラッセル・マローン/Russell Malone」。
「Boulevard of Broken Dreams - Diana Krall at the 1996 Montreal Jazz Festival」