色づき始めたヤマボウシの実

「ヤマボウシ（山法師、山帽子）」の実が赤く色づき始めた。普通の木の実は下向きになるのが多いが、「ヤマボウシ」は、上向きにポツンと成り、飴玉みたいでちょっと滑稽な感じである。果実は集合果なので、種子はこの中に何個か入っている。山仕事の合間に、ちょっと口に入れてみる。果肉はやわらかくオレンジ色で、マンゴーのような甘さがある。果皮も熟したものはとても甘く、シャリシャリして砂糖粒のような食感がある。秋の山の味覚のひとつ。もちろん野鳥も大好物である。



さて、今宵は、「ミッシェル・カミロ／Michel Camilo」。ドミニカ共和国、サント・ドミンゴ出身のジャズ・ピアニストで作曲家。ラテンのフレーバー溢れるジャズをベースとしたミュージシャンで、その「超絶技巧」と呼ばれるテクニックは大きく評価され、世界中のファンを魅了したと言われる。ヨーロッパ・ジャズ・ピアノに強く惹かれている私ですが、彼とキューバ出身の「ゴンサロ・ルバルカバ／Gonzalo Rubalcaba」のラテンの薫りは、もって捨てがたいのである。

1954年生まれ。音楽一家の元に育ち、最初は親からもらったアコーディオンを弾き始めたという。祖父の影響でピアノも習い始め、「エリラ・メナ国立初等音楽院」と「ドミニカ共和国国立音楽院」に13年間通う。1979年にニューヨークに移り、「ジュリアード音楽院」で学んだあと、ラテン音楽界を代表する米国・ニューヨーク出身のミュージシャンで、「ラテンの王様」とも呼ばれた「ティト・プエンテ／Tito Puente」とも共演。1985年に「カーネギー・ホール」にトリオで出演し、一躍スターとなる。デビュー・アルバムは、「Why Not?」（1985年）。



2000年にはフラメンコ・ギタリスト、「トマティート／Tomatito」とのデュオ・アルバム、「スペイン／Spain」をリリースし大ヒット。このアルバムはグラミー賞ラテン部門を勝ち取っている。アルバム・タイトル曲は、ご存知「チック・コリア／Chick Corea」の人気曲で、ジャズとフラメンコのクロスオーバーというこのアルバムの狙いは、十分に達成している。その他、ラテン・ナンバーのスタンダード、「ベサメ・ムーチョ／Bésame Mucho」もラテンの哀愁一杯の好演。2006年には、この続編アルバムに当たる「Spain Again」も発表、タンゴ界の巨匠、「ピアソラ／Astor Piazzolla」の「リベルタンゴ／Libertango」などをトリビュートしている。

Spain

MICHEL CAMILO & TOMATITO / Polygram Records

さて、その超絶技巧とラテンの哀愁に心ときめく2曲を　・・・・。「スペイン」、「ベサメ・ムーチョ」。

「Tomatito & Michel Camilo- Spain」

　　　　　　　　　　

「Besame Mucho - Michel Camilo & Tomatito」

　　　　　　　　　　

ピアノ、コントラバス・ギター（6弦ベース）、ドラムという編成の変則ピアノ・トリオでのアルバムは、「ランデヴー／Rendezvous」（1993）。他のメンバーは、「アンソニー・ジャクソン／Anthony Jackson」（contrabass guitar）と「デイブ・ウェックル／Dave Weckl」（drums）。ちょっと元気が出るアルバムですね。

Rendezvous

Michel Camilo / Sbme Special Mkts.

こちらは、ソウルフルなラテンのパッションを感じさせる2曲。ラテン・ジャズの真骨頂。

「Michael Camilo ‐　From Whithin」
　
　　　　　　　　　　

「Michel Camilo Trio - Remembrance」　2000年、「モントルー・ジャズ・フェス」でのライブ。ドラムはラテンドラミングの第一人者「ホラシオ・ヘルナンデス／Horacio “ElNegro” Hernandez」。