このところずっと「タンスの肥やし?」的になっていたピアニストを引っ張り出してきては、紹介するという記事を続けてきた。ここまで続けると、さすがにわたしもちょっと目先や気分を変えたくなってきたというのが本音である。ひさびさの「北欧美女シンガー」と参りましょうか。ノルウェイを代表するというジャズ・ヴォーカリスト、「ヒルデ・ヘフテ/Hilde Hefte」。
『静かな響きのワルツとボサノヴァ、遠い記憶を呼び起こすやさしい歌声。ノルウェイから届けられた淡い短編小説のような音楽』というキャッチに惹かれて ・・・。
1956年生まれというから、もう相当なベテラン。 学生時代には、ピアノ、そしてギター、アルト・サックス、クラリネットをマスター、さらに作詞・作曲・編曲までもこなすという才女、「ヒルデ・ヘフテ」。その活動範囲は、演奏家、音楽家としてだけでなく、女優、音楽教師などにも及ぶという。80年代半ばから舞台や映画の作曲家、シンガー、俳優として数多いキャリアを積み、1991年には、初ソロ・アルバムで「チェット・ベイカー/Chet Baker」をオマージュした「'Round Chet's Midnight』を発表、評価を得たという。
その後、2001年には「ビル・エヴァンス/Bill Evans」のナンバーで自己の世界観を作り上げたと今なお評価の高い「Playsong – The music of Bill Evans」を発表。その後もノルウェー語でボサノヴァ取り組んだ「Hildes bossaHefte」を2003年にリリースし、北欧ジャズ・シーンを代表する存在として現在に至っている。
アルバムは、「Memory Suite」。外からは分からなかったが、過去5作の中から選曲したコンピ・アルバムである。全17曲のうち、「Waltz For Debby」を含むエヴァンスの曲が5曲、「ホベルト・メネスカル/Roberto Menescal」の「Telephone Song」などのボッサが4曲が中心を占め、そのほかスタンダードや「ポール・サイモン/Paul Simon 」などのPOPSカバーなどが収録されている。
いや、結構なお年なのに、その声はまるで少女のよう。澄みきった透明感と気品とその上品な軽みには癒されてしまう。
Memory Suite 【Loppi・HMV限定盤】
Hilde Hefte /
オリジナルのエヴァンスへのオマージュ・アルバム、「Playsong - the music of Bill Evans」から、「My Bells」。
Playsong-the Music of Bill Evans
Hilde Hefte / CD Baby
「My Bells - Hilde Hefte」
全編ノルウェイ語でのオリジナルのボッサ・アルバム「Hildes Bossahefte」から2曲。
Hildes Bossahefte
Hilde Hefte / CD Baby
「Gutten og Ballen- Hilde Hefte」
「Gostoso - Hilde Hefte」