「ツワブキ(石蕗、艶蕗)」である。「ツワブキ」の名は、「艶葉蕗(つやばぶき)」、つまり「艶のある葉のフキ」から転じたという。母親が好きだった花で、斑入りの葉も面白く、この時期に黄色い花を咲かせる。食用や薬用としても用いられ、「キャラブキ」や九州名産の「佃煮キャラブキ」は、この「ツワブキ」の葉っぱで作られるという。
2泊3日の弾丸帰省。今回はこの夏の豪雨や台風で実家が傷んでいないかどうかのチェックと、庭の草刈り、母親のケアである。台風での家の傷みもなく、前回、草刈り機で刈り取った畑の部分は、ありがたいことにほとんど伸びていなかったため、刈らなくてもすみ、今回は、築山になっている庭の草抜きと素人ながらの樹木の剪定。
主なき庭にも秋は変わりなく訪れていて、「ツワブキ」、「フジバカマ(藤袴)」、「シュウメイギク(秋明菊)」、「ノギク(野菊)」などが咲き、「サンシュユ(山茱萸)」の実、そしてこの地方では、「ミネゾ」と呼んでいる「イチイ(一位、櫟)」、「アララギ」の実が真っ赤に輝いている。この「ミネゾ」の実(写真はNETより拝借)、食べると甘く、子供の頃、学校帰りや遊びの途中、多くが垣根に使われている「ミネゾ」から摘んで食べたことを思い出した。
一日頑張った結果、かなり庭も綺麗になったが、この日は信州でも一番の冷え込みの日。油断したため、しっかりと風邪をひいてしまった。もう信州から離れること50年、気候についていけなくなっているのも無理からぬこと。
さて、今宵の「眼ヂカラ熟女シンガー」は、「ローラ・フィジィ/Laura Fygi」。「ローラ・フィジィ」は、1955年、アムステルダム生まれのオランダの女性シンガー。ちょっと中近東系のエキゾティックな顔立ちを持つ。それもそのはず、オランダ人の父親と元・ベリー・ダンサーでエジプト人の母親との間に生まれ、幼少期の8年間は、父親の海外派遣勤務に伴い、南アメリカ・ウルグァイで、ラテン音楽やジャズに親しんで育ったという。
オランダに帰国後芸能界入りし、20歳の時に「Terra」という名の多国籍グループで、プロ生活の第一歩を踏む。29から36歳の間には、オランダのお色気系3人組女性ポップス・ユニットの「センターフォールド/Centerfold」のメンバーとなり、挑発的なコスチュームで歌う彼女らは、ヨーロッパ各国での多くの人気を得た。
その後、1991年、ファースト・ソロ・アルバム、「Introducing "Laura Fygi"」でジャズ・デビュー。先ずヨーロッパでブレーク、世界各国でもリリースされる。ベルギー出身のジャズ・ハーモニカの巨匠、「トゥーツ・シールマンス/Toots Thielemans」や「クラーク・テリー/Clark Terry」、「ジョニー・グリフィン/Johnny Griffin」らの一流ミュージシャンに支えられ、重厚なストリングスによってフィーチュアされたこのアルバムは、日本では「瞳のささやき」というタイトルでリリースされたが、廃盤となり、Bewitched」のタイトルで再プレスされた。
その後、「ミシェル・ルグラン/Michel Legrand」等との協演、スタンダード・ナンバーからシャンソン、ラテンの名曲まで、20年間に15枚の多彩なアルバムを発表、30を超える国でリリースされている。思うに彼女の良さは、ソフトでハスキーな声だけではなく、エンターテイメントに徹したその歌唱が世界で人気を得ている所以ではないだろうか。
Bewitched
Laura Fygi / Polygram Records
デビューアルバムから、タイトル曲でスタンダードの「Bewitched(魅せられて)」。
「Bewitched - Laura Fygi」
かって現役時代、中国のCDショップで買い求めたアルバムに何枚かの彼女のアルバムがあったことも懐かしい。しかし、未だにコピー品か、本物かの判別がつかないこともご愛嬌 ・・・。
Song Book
Laura Fygi / Universal
ロンドン・ソホーの老舗ジャズ・クラブ、「ロニー・スコッツ/Ronnie Scott's」でのライブ盤に収録されている、小粋なスイングの「シェルーブールの雨傘」。
Laura Fygi at Ronnie Scott's
Laura Fygi / Verve
「I Will Wait For You - Laura Fygi」
ラテンのスタンダード集、「The Latin Touch」。彼女のラテンは、エンターテイメントに徹していて本領発揮、本当に楽しませてくれる。
The Latin Touch
Laura Fygi / Mercury
「Laura Fygi - Quizas, Quizas, Quizas」