年が明けてから始まる炭焼きの準備を続けている。クヌギの再生林で、前回の伐採の後10年をかけ、炭材として適当な太さにまで育った「台場クヌギ」を伐採し、所定の長さの「窯木」になるように「玉切り」し、枝を細かに分けて束ね、「バイタ」とよぶ「柴」を作る作業である。
今日は、地域の小学4年生が「自然体験学習」で里山を学びに来てくれた。ちょうど爺さんたちの作業をウォーク・ラリーの途中で見学をして、かって人々の暮らしと密着してあった里山の形を実感してもらう。太閤秀吉の昔からこの地域で焼かれていた「菊炭」。このあと数十年後にも、この子供達に伝わっていたらいいなと思いつつ、伐採した山のようなクヌギの始末に向かう。やっぱり、人手が多いというものはありがたいもので、伐採予定のほぼ半数が片付いた。
さて、お久しぶり懐かしの女性ボーカル、今宵は「シビル・シェパード/Cybill Shepherd」。この人も、「天は二物をあたえた」女性。「シビル・シェパード」は、1950年テネシー州メンフィス生まれのアメリカの女優、歌手、ファッションモデル。10代のころからミス・コンなどに出場するようになり、1970年代はモデルとして活躍した。彼女を雑誌で見た「ピーター・ボグダノヴィッチ/Peter Bogdanovich」監督に抜擢され、「ラスト・ショー」で映画デビュー。そして、日本でも人気が上がったのが、「マーティン・スコセッシ/Martin Scorsese」監督、「ロバート・デ・ニーロ/Robert De Niro」主演の映画「タクシー・ドライバー/Taxi Driver」(1976)。「デ・ニーロ」が魅かれる選挙事務所に勤める女性を演じていた。
そして、1986年NHKで放映されたテレビシリーズ、「こちらブルームーン探偵社/MOONLIGHTING」の主役を努め、「ゴールデングローブ賞」を受賞している。わたしも毎週見ていたが、髪フサフサの「ブルース・ウィリス/Bruce Willis」の人気がこの番組で一気にブレイクしたという。
多数の映画TVドラマに出演したが、1976年、「タクシー・ドライバー」の年にはアルバム・デビューもしている。「Mad About the Boy」(1976)。「男狂い」という意味ではありません、「彼に夢中」。なんと「スタン・ゲッツ/Stan Getz」をはじめとする手練がサポートしているという豪華なセッション。多分、所属事務所の売り出しへの肩入れも相当なものだったんでしょう。これも含め、6枚ほどのアルバムがリリースされている。今聴いてみると、「Jazzy、Not Jazz」路線の元祖といった感じであるが、全編ボッサ・テイストに彩られたこのアルバムは、彼女の持つ清楚な色気や艶が十分感じられ、歌唱力もしっかりしていて、女優芸の傍らにというレベルではない。良質のボッサ・アルバムとして十分に楽しめる。
マッド・アバウト・ザ・ボーイ(紙)
シビル・シェパードPヴァイン・レコード
「Cybill Shepherd with Stan Getz - This Masquerade/Mad About the Boy/I'm Old Fashioned」