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大屋地爵士のJAZZYな生活

天蚕の繭を見つけて

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クヌギの伐採をしている時に見つけた「ヤママユガ(山繭蛾)」の繭(まゆ)である。遊びの山のクヌギ林では、成虫、幼虫もふくめ、よく見つけることがある。

「ヤママユ(山繭)」、「テンサン(天蚕)」とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕(やさん)で、北海道から九州にかけて分布し、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食物として、全国の落葉性雑木林に生息している。

いまでも続けられているかどうか分かりませんが、養蚕が盛んだった私の故郷・松本に隣接する地域、穂高町(現在の安曇野市)の有明では、いわゆる一般的な「お蚕さん」である「家蚕(かさん)」とは別に、江戸時代からこの「天蚕」の飼育が行われていることで知られていた。家蚕に比べれば、長径約5cmほどで大きな繭であるが、この繭1粒から長さで600~700m程度、繭1,000粒から重さで、250~300g程度の糸が得られるという。この糸は、「天蚕糸」とよぱれ.光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されているという。(Wikipedia参照)

見つけた繭にこんな故郷との縁を思い浮かべながら、この日も窯木づくりに精をだす。作業を終え振り返ると、クヌギ林はあらかた伐採が終わり、一株だけ残る「ヤマザクラ(山桜)」の真っ赤な紅葉が目を射る。

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蝶や蛾などの「メタモルフォーゼ(metamorphose);生物学でいう変態の意」には誰しも驚かされる。この夏、私の妻などはすっかり夢中になってしまった。(参照拙ブログ
「やがては華麗なメタモルフォーゼへと ・・・」
「メタモルフォーゼ」「お客さんはカラフルでした」 など) ジャズの世界では、オリジナルの曲のイメージがすっかり変わり、全く別の曲になってしまうということはままあること。

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私がそんなメタモルフォーゼを強く意識したアルバムがある。「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」の「AVANTI!」というアルバムである。冒頭の「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」の哀しさ、美しさにまずひきこまれてしまう。実は、このアルバムに収録された美しい詩情溢れる曲は、実はすべて革命歌であり、反戦歌である。そのことを知って、私は驚くと同時に、革命歌をこれほどまでに情感込めて歌い上げられるピアニストを初めて知ったのである。そして、ミラバッシは私にとって探し求めて、辿りついたピアニスト、一里塚あるいは原点のピアニストとなった。

AVANTI!

ジョバンニ・ミラバッシ / 澤野工房



「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido (団結した民衆は決して負けない)」から始まって、「ポーリュシュカ・ポーレ/ロシア語: Полюшко-поле/Plaine, Ma Plaine (愛しき草原よ草原)」で終わる「Avanti!」の16曲のピアノソロ全てが、CDについているブックレットの写真と共にアップされていました。

「Giovanni Mirabassi: Avanti! 」

     

原曲の革命歌、「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido (団結した民衆は決して負けない)」を聴いてみましょうか。これが同じ曲なんですね ・・・。

「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」

          
by knakano0311 | 2014-11-23 16:24 | 炭焼き小屋から | Comments(0)
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