今年2回目の弾丸帰省。「弾丸帰省」とは、母親のケアのため、一泊二日ないしは二泊三日の故郷帰省を私が勝手に名づけている帰省である。今回、行きは快晴とまでは行かなかったが、まずまずの天気。中央道駒ケ岳SAから臨む中央アルプスは、「木曽駒ケ岳」でしょうか、その荒々しい岩肌が迫力を持って迫ってくる。一度「千畳敷カール」を訪れてみたいと長年思っているが、未だ果たし得ないでいる。
一転して帰りは、松本は朝から雪。起きたら実家の周りにも数センチ積もっていた。ニュースの気象情報では、大雪注意報が出ているし、中央道の長野県内はすべてチェーン規制がかかっている。ひどい積雪で閉鎖にならないうちに中央道を抜けてしまおうと、母親のケアは前日に済ませていたため、帰路へ。案の定、高速はシャーベット状態。やはり、スタッドレス・タイヤの効果は大したもので、順調に中央道を走る。恵那山トンネルを抜けたら、雪は雨に変わっていた。
翌日は、今度は長男が弾丸帰省。結婚相手を連れての報告。久しぶりに次男家族を呼んで、鍋を囲んでの家族大宴会となった。こんな弾丸帰省なら何度でも嬉しい。
実家のCDラジカセで聴いたのは、「マルチン・ボシレフスキ/Marcin Wasilewski」率いるピアノ・トリオのアルバム、「Trio」。厳しい信州の寒さの中で聴いてみようかと選んで持っていったアルバム。
「マルチン・ボシレフスキ」は、1975年生まれのポーランド出身のピアニスト。13才の時に手に入れた「キース・ジャレット/Keith Jarrett」のアルバムに感銘し、強い影響を受けたという。ポーランド・コシャリンの音楽学校で同年の「スワヴォミル・クルキエヴィッツ/Sławomir Kurkiewicz(ベース)」とセッションするようになり、後に「ミハウ・ミスキエヴィッツ/Michał Miśkiewicz (ドラム)」が加入し、「シンプル・アコースティック・トリオ/Simple Acoustic Trio(SAT)」を結成。いずれも10代の若さであった。1993年の「ジャズ・ジャンポリー・フィスティヴァル」で高く評価され、1994年にトランペッターの「トーマス・スタンコ/Tomasz Stanko」とのセッションに加わる。1994年にSATは、「クシシュトフ・コメダ/」の作品集、「Komeda」でアルバム・デビュー。このアルバムは1曲を追加し、「Lullaby for Rosemary」のタイトルで再発された。(Wikipediaより)
そして、ECMの創設者でプロデューサーの「マンフレート・アイヒャー/Manfred Eicher」との知遇を得て、2004年にオスロの「レインボー・スタジオ」で録音し、翌年にリリースしたのが「Trio」。雪に包まれた静謐、凍る様な透明感、流麗で美しいタッチ、雪の中を続く足跡だろうか、ジャケも好み。パーソネルは、「マルチン・ヴァシレフスキ/Marcin Wasilewski (Piano)」、「スワヴォミル・クルキェヴィッチ/Sławomir Kurkiewicz (Bass)」、「ミハウ・ミスキエヴィッツ/Michał Miśkiewicz (drums)」。いずれも30歳前後、才気溢れるというのは、まさしく彼らのこと。
電気毛布をつけ、布団を頭までかぶり、暖かさと心地よさに包まれながら、いつしか眠りについた。
Trio
Marcin Wasilewski / Ecm Records
「Marcin Wasilewski - Sister's Song」
オリジナルは、「ビョーク/Björk」の「Hyperballad」。
「Marcin Wasilewski Trio - Hyperballad」