「金子晴美」は、1950年東京都生まれのジャズ・シンガーである。獨協大学ドイツ語科在学中に歌手活動を始め、1980年、「ボブ・ドロー/Bob Dorough(vo)」、「ハンク・ジョーンズ/Hank Jones(p)」と共演した「アイ・ラヴ・ニューヨーク/I Love New York」でデビュー。それまでの日本の女性JAZZシンガーといえば、巻き舌風で、わざとらしいしゃがれ声で歌うお姉さんたちが多かったが、きちっとボイス・トレーニングと英語の発音訓練をうけている彼女の初々しいデビューには当時ビックリもした。
そして、ボサ・ノヴァ、サンバの名曲を集めたCDで、ギター&共同プロデュースに「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antônio Carlos Jobim」らとともに、ボサノバの創始者でもある「ロベルト・メネスカル/Roberto Menescal」が参加しているので話題になったアルバム、「TRISTEZA」も注目した一枚だった。
「ミュージックマン(我らパープー仲間)」、「メモリーズ・オブ・ラブ(YaYaあの時代を忘れない) 」、「ストーリーズ・エンド(別れ話は最後に)」、「ホエン・ユーア・オーヴァー32(恋する女のストーリー)」、「Just A Little Bit」など、桑田の曲がこれほどJAZZに馴染むとはと驚いた。その編曲は、故「八木正生」。「いとしのエリー」を含む4曲の英語詩は、無類のJAZZファンでイラストレータの「和田誠」氏によるもの。