
幹の髄が中空になっていることからその和名がついた、「ウツギ(空木)」。初夏の山で、雅びで粋な和風の響き。

ちょっと前に、せっかくの森の手入れの効果を台無しにする最大の天敵は鹿や猪で、この地域の里山景観の象徴である台場クヌギの林を守り、炭焼きを続けていくには、共存していく以上、彼らとの知恵比べ、根比べ、いたちごっこであると書いた。もうひとつの天敵は、「カシノナガキクイムシ」。鹿、猪が地上戦なら、こちらは空中戦である。
「カシノナガキクイムシ」は、体長5㎜ほどの昆虫であるが、「ナラ菌」というカビの仲間の病原菌を媒介し、ナラ類、シイ、カシ類の樹木を枯らす「ナラ枯れ」をもたらすため、全国に被害が拡大していて、深刻な問題になっている。「カシノナガキクイムシ」は、病原菌を体内に入れて運び、夏から秋に樹木に無数の穴をあけ、卵を産み付け、翌年の6月ころにその幼虫が羽化し、また新しい樹木に卵を産み付け ・・・といったことを繰り返すのである。ナラ菌は孔道を伝わって蔓延するため、木に十分な水分が上がらなくなり、真夏から晩夏にかけ急速に葉が萎れ、茶色や赤茶色に枯れてしまう、「ナラ枯れ」を起こす。1本の木から数万頭が羽化するともいわれ、一度罹ると、その森には爆発的に被害が拡がるという。
我が遊びの山では、ほとんどが「コナラ/小楢」であったが、一昨年初めて被害木が見つけた。対策といっても、山に無数にあるナラ類、シイ、カシ類のすべてに予防策を施すのは現実的でないし、近隣の私有林などは、その認識もないし対策もできない。そこで、他の樹木への蔓延を防ぐため、枯死した木は伐採し、生きている木は幼虫が羽化し、飛び出す前のこの時期に被害木を粘着シートで覆い、絡め取ろうという対策を施している。少し長い時間を必要とする対策ではあるが、毎年続ける事によって、わが遊びの山発による蔓延を確実に減少させることができる。今日は、昨年新たに発見された被害木、約20本にこのシートを巻くという対策を施した。(参照拙ブログ
「熱中症も怖いですが ・・・」、
「続・秋が少し見えた ~ カシナガの活動も始まる ~」、
「虫、虫、虫 ・・・」など)
さて、暑さを吹き飛ばすハイ・ノートなトランペットを一発いかがでしょうか。「ブルー・ミッチェル/Blue Mitchell」。「ブルー・ミッチェル」は、1930年生まれ、フロリダ州マイアミの出身のジャズ・トランペット奏者。伸びのあるクリアーな音色でハード・バップ期には人気を集めた。ハイスクールでトランペットを始める。「ブルー」というあだ名も当時に遡るという。ハイスクールを卒業すると、いくつかのリズム・アンド・ブルースのバンドで演奏した。やがて、「キャノンボール・アダレイ/"Cannonball" Adderley」に見出され、1958年にアダレーと共演。
その後は、「ホレス・シルヴァー/Horace Silver」のクィンテットに入団する。1964年には、ピアニストに新人「チック・コリア/Chick Corea」を、ドラマーに若手の「アル・フォスター/Al Foster」を迎え、自らのクィンテットを結成、ブルーノート・レコードにハード・バップ・スタイルの多数の録音を行なったが、1969年に解散した。1979年5月に癌のためにロサンジェルスにて歿、49歳の若さであった。
そんな、「ジュニア・クック/(ts)」、「チック・コリア(p)」、「ジーン・テイラー/(b)」、「アル・フォスター(ds)」を引き連れてのアルバムが、「Down with It! 」(1965)。学生の頃、よくジャズ喫茶でリクエストしたアルバムでもある。
Down With It
Blue Mitchell / Blue Note Records
お気に入りは冒頭の「ハイヒール・スニーカーズ/Hi-Heel Sneakers」。「ハイヒールでそっと忍び寄ってくる貴女」。
「The Blue Mitchell Quintet / Hi-Heel Sneakers」
そして代表作のひとつ、哀愁に満ちた美しいバラード満載の「ブルーズ・ムーズ/Blue's Moods」(1960)。
Blue's Moods
Blue Mitchell / Ojc
「Blue Mitchell Quartet - I'll Close My Eyes」
「When I fall in love - Blue Mitchell」