山の仲間がご近所の盆栽を趣味とする友人から、「歳を考えると、この先もうたくさんの盆栽は育てられないからよかったらもらって欲しい」と頼まれ、持ってきた。せっかくだからと、皆でいただくことにした。「断捨離」のお裾分け。私がもらったのは、「ウメモドキ(梅擬)」、「ボケ(木瓜)」、「コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)」、「ウツギ(空木)」、「カマツカ(鎌柄)」、「ウグイスカグラ(鶯神楽)」、「テリハノイバラ(照葉野茨)」など。盆栽として育てる気はないが、さてちゃんと花が咲くようになることやら ・・・。
それらに水遣りをしていて、両親のこと思い出した。二人共、趣味が多かったため、その残された山のような趣味の材料や作品を片付けるのに大変苦労した。私とても例外ではないのである。私の膨大な蔵書、そしてジャズを中心とした大量のCD。これらは私亡き後、その趣味のない妻や子供にとっては、多分迷惑この上ないゴミと化すであろう。私の人生の一部が、いわば凝縮されているこれらをゴミと片付けられるには、大きな抵抗感がある。しかし、現実には十分に想定できるし、事実そうなのである。と思って一念発起、まず本から片付けだした。山の仲間の友人の心境、十分に理解、共感できる。しかし、CDはもうすこし時間をくださいな ・・・。
ひさびさの美メロ・ピアノは、「アレッサンドロ・ガラティ/Alessandro Galati」。1966年、イタリア・フィレンツェ生まれのジャズピアニスト。「ビル・エヴァンス/Bill Evans」を敬愛し、独特の詩情と哀愁を持つ抒情派ピアニストである。6歳でクラシック・ピアノを始め、後にジャズに強い興味を持ち、イタリアの著名なベーシスト兼ビッグバンドのアレンジャー、「ブルーノ・トマソ/Bruno Tommaso」に師事、ジャズ・オーケストラの編曲・作曲を修得したという。「ビル・エヴァンス」や「キース・ジャレット/」などに強く影響を受け、内省的で微妙な感情に溢れ、抒情性と哀愁が見事に溶け合つた美しいインプロビゼーションを聴かせる。とてもこの強面からは想像できない。
ソロ・アルバムの「All Alone」(2005)、トリオでの「Cubiq」(2007)、ベースとのデュオ「Imaginerie」(2010)、クインテット仕立ての「UNSTANDARDS」 (2010)などを聴き進めてきたが、最新のアルバムは、2013年録音の「Seals」。再びの鉄壁のピアノ・トリオ、パーソネルは、「アレッサンドロ・ガラティ/Alessandro Galati (p)」、「ガブリエル・エヴァンジェリスタ/Gabriele Evangelista (b)」、「ステファノ・タンボリーノ/Stefano Tamborrino (ds)」。
Seals
Galati Alessandro Trio / Via Vento Jazz
こんな演奏を聴いてしまうと、CDを思い切る心が鈍り、まだまだ「断捨離」はできないかなと思う。「Casi Abstemia」。
「Alessandro Galati Trio - Casi Abstemia」
タイトル曲、「Seals」。
「Alessandro Galati Trio - SEALS」