朝から土砂降りの雨。久しぶりに映画館へ行こうと決める。観たい映画は、「アリスのままで(原題;Still Alice)」。いつも行くシネコンにはかかっていないので、箕面までちょっと足を延ばす。
若年性アルツハイマーの女性アリスが、記憶を失っていく日々をつづった全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じた「ジュリアン・ムーア/Julianne Moore」が、第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。監督は、自身も「ALS(筋委縮性側索硬化症)」という難病を抱える「リチャード・グラッツァー/Richard Glatzer」。2014年制作のアメリカ映画。
ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道がわからなくなるといった事態が続く。やがて若年性アルツハイマー症と診断され、家族の介護もむなしく、アリスの記憶や知識は日々薄れていく。アリスは記憶が薄れる前に、自分が自分でいられるよう、いろいろなことを実行していくが ・・・。
なんといっても、「ジュリアン・ムーア」の演技が光る。1960年生まれ。米ボストン大学卒業後、ニューヨークのオフ・ブロードウェイを中心に舞台で活動。ホラー映画、「フロム・ザ・ダーク・サイド ザ・ムービー 3つの闇の物語(原題;Tales from the Darkside: The Movie)」(1990年)でスクリーン・デビューを果たしたという。私が注目したのは、「めぐりあう時間たち(原題;The Hours)」(2002年)から。「メリル・ストリープ/Meryl Streep」、「ニコール・キッドマン/Nicole Kidman」と共演、第53回ベルリン国際映画祭では、3人ともに銀熊賞を受賞した。つい先日も彼女が出演した「トゥモロー・ワールド(原題;Children of Men)」(2006年)をBSでみたばjかり。
人は「自分らしさ」を失ってはいけないというが、その「自分らしさ」、「あなたらしさ」を失っていく病気が認知症であり、アルツハイマー病である。そもそも、「自分らしさ」、「あなたらしさ」とは何なのか?それを失うということはどういうことなのか?病気にも関わらず、失ってはいけないのか? 患者の家族の側からだけでなく、患者本人の視点からも描かれていく。記憶と自分らしさを失っていく私の母親を目の当たりにしたことで、一応理解はしていたつもりであるが、改めて考えさせられる映画であった。今年一番の「じじばば映画」。
さて、あの鉄壁ピアノ・トリオ、「エンリコ・ピエラヌンツィ・トリオ/Enrico Pieranunzi Trio」の最初のアルバムは、「New Lands」(1984)。以来、2008年の「As Never Before」に至るまで、24年の長きにわたってトリオの活動を続けてきた。そんなトリオが、イタリア映画音楽の巨匠「エンニオ・モリコーネ/Ennio Morricone」のソングブック的アルバムをリリースしている。もともとは、「Play Morricone」(2002)、「Play Morricone 2」(2003)と別々のアルバムだったが、2014年にセットで再発された。日本でもヒットとなった映画、「ニュー・シネマ・パラダイス(原題;Nuovo Cinema Paradiso)」でピアノを弾いているのは、「エンリコ・ピエラヌンツィ」であるというが、セット盤には日本公演のライヴ演奏による「ニュー・シネマ・パラダイス」が追加収録されている。
Play Morricone 1 & 2-The Complete Recordings [輸入盤]
Enrico Pieranunzi / CAM JAZZ
「Enrico Pieranunzi, Marc Johnson, Joey Baron - Incontro」
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「Enrico Pieranunzi Trio - Nuovo Cinema Paradiso」
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