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大屋地爵士のJAZZYな生活

炎天の花はサウダージの花

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「炎天の花」と聞くと、私は真っ先にこの花、「ノウゼンカズラ(凌霄花)」を思い浮かべてしまう。「サルスベリ(百日紅)」、「ムクゲ(木槿)」、「フヨウ(芙蓉)」、「ヒマワリ(向日葵)」なども、この時期の花であるにも関わらず、決まってそうである。理由の一つは、あの大な真紅の花びらが垂れ下がる様が、印象的だからであろう。

夏の季語でもある「ノウゼンカズラ(凌霄花)」がご近所のあちこちで咲きだした。中国原産で、平安時代には日本に渡来していたと考えられるそうだ。漢名の「凌霄花」は、「霄(そら)を凌ぐ花」の意で、高いところに攀じ登ることによる命名だという。(Wikipediaによる)

真っ先に思い浮かべてしまうもうひとつの理由は、去年他界してしまったが、花好きだった母親が詠んだ歌が心に残っているからである。甲子園は地方大会が始まった。あの「ノウゼンカズラ」は、もう咲いてるのだろうか。「ノウゼンカズラ」はサウダージの花でもある。

    甲子園の熱戦終わり夕風にノウゼンカズラの残り花散る  豊子

さて、今宵のピアニストは、「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」。「雅びにして耽美のピアニスト」で、今まさに絶頂期を迎えている。「ニコライ・ヘス/Nikolaj Hess」と並んで、今年の収穫のひとりとして、つい最近も取り上げたばかりである。

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「ロベルト・オルサー」。1971年、イタリア生まれ。幼少の頃から、クラシックのピアノとオルガンを習い、名門「ベルディ音楽院」ではオルガンを専攻。その後、ミラノのカソリック大学では哲学を学ぶ傍ら、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」からジャズ・ピアノを学んだという。最初のレコーディングは、セクステットで、2002~2003年に行われ、「Eveline」というタイトルでリリースされている。その後、「ユーリ・ゴロウベフ/Yuri Goloubev (doublebass)」、「マウロ・ベッジオ/Mauro Beggio (drums)」とピアノトリオを結成。2012年に、「Steppin'Out」、そして昨年、「澤野工房」から「The Moon And The Bonfires」がリリースされた。

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「Steppin'Out」を聴いて興味を持ち、「The Moon And The Bonfires」で魅了され、過去に遡ってソロ・アルバムも聴いてみたいという思いが強くなった。ソロ・アルバムは、「Esprit de Finesse - Hommage a F. Mendelssohn」(2009)。「メンデルスゾーンへのオマージュ」とサブ・タイトルが付けられているように、メンデルスゾーンの楽曲とオリジナルが約半々で構成されている。

アルバム・タイトルの「Esprit de Finesse」。「西田幾多郎」によって「繊細の精神」と訳されているが、パスカルの言葉で、幾何学的精神の対概念、いわば哲学する精神のことだそうだ。メンデルスゾーンの楽曲と自分の楽曲を対比させ、内省的な思索の結果、クラシカルな響きと旋律の美しさが表出した秀逸な作品。

Espirit De Finesse

Roberto Olzer / Imports



「Roberto Olzer, piano solo - Divertissement I & Eveline」

       

  


  
by knakano0311 | 2016-07-03 09:26 | サウダージ | Comments(0)
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