彼女の遺作ともなるのが、「スティーヴ・ドブロゴス/Steve Dobrogosz」とのデュオで「フェアリー・テイルズ/Fairytales」(1982年)。このアルバムは、ノルウェイで5万枚のセールスを記録し、この年の「Norway's best selling jazz record」に選ばれたという。
そして、悲劇的な死を遂げたほかのアーティストと同じように、死後相当経ったにもかかわらず、未発表の音源などによるアルバムが何枚かリリースされている。没後26年となる2008年12月には、リリースされたのが、未発表音源集、「バタフライ/Butterfly」。バンド・メンバーで、かつ良きパートナーでもあった「アリルド・アンデルセン」の選曲だという。放送局の音源やジャズ・フェスティバルでの録音などを集めたもので、「Black Coffee」、「My One And Only Love」などスタンダード、カバー曲「Antonio's Song」、「It's Been A Long Long Day」など全12曲に加え、ラドカ24歳時のTV出演時の瑞々しい映像2曲を収録。ラドカの特徴である透き通った声で、熱唱するでもなく、まるで語りかけるように、そして囁くように歌う特長がよく出ている。