さて、「七夕人形」に因んで聴きたいと思ったちょっとせつなくて美しいラブ・ソングは、「You Don't Know Me」。この歌は、1955年、「エディ・アーノルド/Eddy Arnold」が頭に浮かんだタイトルと詩のストーリーを基に、「シンディ・ウォーカー/Cindy Walker」によって書かれた。翌年アーノルド自身によってレコーディングされた。以後、「エルヴィス・プレスリー/Elvis Presley」, 「ボブ・ディラン/Bob Dylan」、「ウィリー・ネルソン/Willie Nelson」など多くの歌手によってカバーされたが、もっともヒットしたのは、「レイ・チャールス/Ray Charles」であろうか。1962年の「the Billboard Hot 100 chart」で第2位にランキングされているという。レイ自身も、いろんなアーティストとのデュオ・アルバム、「Genius Loves Company」の中で、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」と再録音をしている。
また、「メリル・ストリープ/Meryl Streep」が主演映画、「ハリウッドにくちづけ/原題;Postcards from the Edge」(1990)でこの歌を歌っていたことも思い出した。
【 You Don't Know Me 】 written by Cindy Walker & Eddy Arnold
「♪ You give your hand to me あなたが私に手を差し出して
And then you say hello 「やあ」なんて言うでしょ
And I can hardly speak 途端に私は言葉が出なくなってしまうの
My heart is beating so 私の心はドキドキしてしまって
And anyone can tell 誰もが気軽に話せるというのに
You think you know me well あなたは私をよく知ってるって言うけど
But you don't know me 実は私のこと、なにも知らないのね
No you don't know the one いいえ、あなたは知らないわ
Who dreams of you at night 夜毎誰かがあなたの夢を見ているなんて
And longs to kiss your lips あなたのキスを待ち焦がれて
Longs to hold you tight 強く抱きしめて欲しいと思っているなんて
To you, I am just a friend そう私はただの友達
That's all I've ever been ずっとそうだったの
Cause you don't know me だって、私のことなにも知らないから
アルバムは、「ザ・ブック・オブ・ラヴ/The Book of Love」(2006)から。ハリウッド版「シャル・ウィ・ダンス/Shall We Dance?」の挿入歌としても使われた、「The Book of Love」をアルバム・タイトル曲としている。文字通り「愛の教科書」。7つのチャプターとエピローグで綴られたこのアルバムは、憧れ、戯れ、欲望、愛、歓び、幻滅、そして別れ ・・・、シェリルはひとりの女性の愛の変遷、軌跡を歌に託して優しく綴ってくれるが、この曲は冒頭、「憧れ」と位置づけられている。(参照拙ブログ「路傍の花、樹々の鳥(125) ~ ここだけの炎天の花 ~ 」)