お盆である。母が逝去押してから1年半、2回目のお盆。位牌などは持ち帰ってきて、小さな祭壇を設え祀っていたが、最近まで仏壇、盆提灯などは実家に置いたままであった。何しろ実家の仏壇は結構大きいし、運送業者も普通では運んでくれない。小型の仏壇に買い替えるにしても、魂抜きだ魂入れだとややこしい。仕方ないので、仏壇の半分だけは前回帰省したときに車に積んで運んできた。残り半分がまだ実家に残っているので、菩提寺に回向をお願いし、今年は仮祭壇で我慢をしてもらうことにした。
特に仏教徒ではないので、お寺さんとの関わりは、葬式、法事、お墓ぐらいしかない。いずれも亡くなった人の祀りに関わることであり、今を生ている人の生き方や悩みに直接関わってくることではない。また核家族化が進んだ私たち世代に共通する、親の墓、私たち夫婦の墓、仏壇、いづれも避けられない問題も今後発生する。かの「白洲次郎」の遺言書には「葬式無用 戒名不用」とあったという。知人は散骨を決心したという。
私の場合も、多額のお金のかかる葬式、法事、お墓、仏壇なども無用に願いたい。弔いの形は、いろいろな形があっていい。妻や息子たちが、生きていく自分たちのために、心に残る形を選んでくれればそれでいい。
今宵のピアノトリオは、「ブラッド・メルドー ・トリオ/Brad Mehldau Trio」。実は、この「ブラッド・メルドー」、あまり取り上げてこなかった。なんというか、相性が悪いというか、いじくりすぎというか、素直にいいと思えないのだ。かって取り上げたのも、エレジー(哀歌)をテーマにしたソロ・ピアノ集、「Elegiac Cycle/エレゲイア・サイクル」だけだったと思う。私にとっての相性の悪さは、「キース・ジャレット/Keith Jarrett」と双璧をなす。
その「ブラッド・メルドー」が新譜を出したという。タイトルは至極シンプルで「Blues & Ballads」。怖いもの聴きたさで聴いてみました。シンプルなアルバム・タイトル通り、1曲目の「Since I Fell for You」から、聴きやすく決してテクニックに走ることなく、翳のある美しい叙情に満ちた優しい旋律が紡ぎ出される。ちょっと認識を改めなくてはならないかな。
パーソネルは、「Brad Mehldau(p)」、「ラリー・グレナディア/ Larry Grenadier(b)」、「 ジェフ・バラード/Jeff Ballard(ds)」。
Blues & Ballads
Brad -Trio- Mehldau / Nonesuch
「Brad Mehldau Trio - Little Person」
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「Brad Mehldau Trio - And I love her」
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