古来から月は、暦でもあり、あかりでもあり、道標でもあり、そして故郷を偲ぶサウダージでもあった。だから、月に思いを託すため、和歌や歌謡曲の格好の題材でもあった。
若い世代には、若い世代向けの「月の歌」が有り、我々シニア世代にも、もちろん我々向けの「月の歌」がある。題名だけを思い浮かべても、古すぎるかもしれないが、「朧月夜」、「荒城の月」、「雨降りお月さん」、「月がとっても青いから」、「月の法善寺横丁」、「月影のナポリ」、「炭坑節} ・・・、これらは、すぐにメロディも歌詞もでてくるくらい染み付いている。TVのないラジオ時代に刷り込まれたのでしょう。
NETを探したらこんな写真がアップされていました。拝借です。天空の城として人気の高い「竹田城」と「月」の写真。まさに「荒城の月」を思わせ、絵に書いたようなと言おうか、いやポスター写真のようなと言おうか、あまりにもはまりすぎて、昭和の月をイメージさせるのにこれほどぴったりな写真があろうかと思うくらい。
さて、「昭和歌謡で歌われた月」。まずは、昭和へのノスタルジーを色濃くまとっている歌手、「浜田真理子」の2曲。学生時代よりバー、クラブ、ホテルのラウンジでピアノ弾語りの仕事をし、1stアルバム「mariko」を自費でリリースしたのが、1998年(平成10年)の暮れというから、彼女は紛れもなく「平成」の歌手である。しかし彼女の紡ぎ出す世界は、間違いなく「昭和」へのノスタルジーや回帰に満ち溢れている。
「月の記憶 」(2002年)。「Mariko Live~月の記憶~ 2002.11.9 at Bunkamura Theatre COCOON」(2003年)から。
Mariko Live~月の記憶~ 2002.11.9 at Bunkamura Theatre COCOON
浜田真理子インディペンデントレーベル
「月の記憶 浜田真理子」
続いて「月に聞く」。「月の記憶」のスタジオ版が収録されているアルバム、「あなたへ」から。
あなたへ
浜田真理子 / インディーズ・メーカー
「月に聞く [short ver.]-浜田真理子 」
そして、「桑名正博/月のあかり」。2008年7月に「行列のできる法律相談所」に出演した際、1978年に発表した曲「月のあかり」が大阪人のカラオケのスタンダード・ナンバーであり、ある年齢以上の大阪の男性であれば、ほとんどの人が歌うことができると彼が語ったという。そのとおりです。私のカラオケの十八番(おはこ)でもありました。
IT'S ONLY LOVE
桑名正博 / ワーナーミュージック・ジャパン
「月のあかり - 桑名正博」