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大屋地爵士のJAZZYな生活

クヌギ林にチェーン・ソーの音響く 

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クヌギ林にチェーン・ソーの音が高らかに響く。いよいよ今年の炭焼き活動開始である。近年、鹿の食害で、萌芽した若芽が食べられてしまい、菊炭の材料となる「台場クヌギ」が枯渇しかけている。鹿除フェンスや植樹などの対策によりクヌギ林が再生するまで、なんとかいまあるクヌギで凌いでいかなくてはならない。とはいえ、ことしも伐採開始、チェーン・ソーの響きが気分を高揚させる。さて、来年一月の炭焼き本番までに、約400本の窯木を用意しなくてはならないのだ。

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今宵のピアノは、「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」。「Steppin'Out」(2013)を聴いて興味を持ち、「澤野工房」からの初リリース、「The Moon And The Bonfires/月と篝火(かがりび)」(2015)で魅了され、聴き始めたピアニスト。「雅びにして耽美のピアニスト」。イタリア出身のニューフェイス。

毎年、「兵庫県立芸術文化センター」で開催されている「Hyogo クリスマス・ジャズ・フェスティバル2016」。今年12月16日は「アトリエ澤野スペシャル」で、「ロベルト・オルサー・トリオ」。そこはもう抜け目なく、最前列のチケットをしっかりとゲットしているのです。

そのピアノの音の透明感が尋常ではないと感じた。「The Moon And The Bonfires」のクレジットでは、「ファツィオリ/Fazioli Grand Piano F278」を使っていると、記載されている。このピアノ、イタリアのピアニストたちが好んで使うようで、透明感が抜群なのだが、12月のコンサートでは、どのピアノを使うのだろうか? そして音色は? 期待感は高まるばかり。

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「ロベルト・オルサー」。1971年、イタリアは「ドモドッソラ」生まれ。幼少の頃から、クラシックのピアノとオルガンを習い、名門「ベルディ音楽院」ではオルガンを専攻。その後、ミラノのカソリック大学では哲学を学ぶ傍ら、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」らからジャズ・ピアノを学んだという。最初のレコーディングは、セクステットで、2002~2003年に行われ、「Eveline」というタイトルでリリースされている。その後、「ユーリ・ゴロウベフ/Yuri Goloubev (doublebass)」、「マウロ・ベッジオ/Mauro Beggio (drums)」とピアノトリオを結成、2012年に、「Steppin'Out」、そして「The Moon And The Bonfires」へと続いている。

Steppin' Out

Roberto Olzer Trio / Abeat Records



「Roberto Olzer Trio - Die Irren」

          

THE MOON AND THE BONFIRES

ロベルト・オルサー・トリオ / 澤野工房



そして、ソロ・アルバム。「Esprit de Finesse - Hommage a F. Mendelssohn」(2009)。「メンデルスゾーンへのオマージュ」とサブ・タイトルが付けられているように、メンデルスゾーンの楽曲とオリジナルが約半々で構成されている。アルバム・タイトルの「Esprit de Finesse」、「西田幾多郎」によって「繊細の精神」と訳されているが、パスカルの言葉で、幾何学的精神の対概念、いわば哲学する精神のことだそうだ。メンデルスゾーンの楽曲と自分の楽曲を対比させ、内省的な思索の結果、クラシカルな響きと旋律の美しさが表出した秀逸な作品。

Espirit De Finesse

Roberto Olzer / Imports



「Roberto Olzer, piano solo - Divertissement I & Eveline」

       

そして新譜もリリースされるようだ。『季節の風に吹かれて、彷徨う「夢の街(ドリームスヴィル)」。繊細にして優美、透明にして深遠。』とキャッチには ・・・。

DREAMSVILLE

ロベルト・オルサー・トリオ / 澤野工房






  
by knakano0311 | 2016-11-14 15:06 | 炭焼き小屋から | Comments(0)
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