「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」。1971年、イタリアは「ドモドッソラ」生まれ。幼少の頃から、クラシックのピアノとオルガンを習い、名門「ベルディ音楽院」ではオルガンを専攻。その後、ミラノのカソリック大学では哲学を学ぶ傍ら、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」らからジャズ・ピアノを学んだという。その後、今回もトリオとして一緒に来日している「ユーリ・ゴロウベフ/Yuri Goloubev (doublebass)」、「マウロ・ベッジオ/Mauro Beggio (drums)」とピアノトリオを結成、2012年に、「ジャズ・ディスク大賞金賞」を受賞した「Steppin'Out」、そして2015年「澤野工房」からの初リリース、「The Moon And The Bonfires」、最新作「Dreamsville」(2016)がリリースされた。
私が初めて聴いたのは、「The Moon And The Bonfires」。それから遡っていくつか耳にしているが、いや、ピアノの音の透明感が尋常ではない。クレジットには、ピアノは、イタリアのピアニストたちが好んで使うという「ファツィオリ/Fazioli Grand Piano F278」を使っていると記載されている。今回、ホールは音響には定評のある400席ほどの小ホール。そして、座席は最前列。いやが上にも期待は高まる。まず気になったのは、オルサーがどのピアノを使うのかということ。機種は特定できないが、小ホールのいつもの「スタインウェイ/Steinway & Sons」であった。
【 1st set 】
01. Beautiful Love
02. Ich will meine Seele tauchen (シューマン:歌曲集「詩人の恋」より「心を潜めよう」)
03. Ferragosto
04. Little Requiem
05. Charisma
06. Bibo no Aozora (坂本龍一:美貌の青空)
07. Maybe Next Time
【 2nd set 】
08. Novembre
09. Dreamsville
10. Violin Concerto
11. Seaward
12. The Oldest Living Thing
13.Fragile
14. Mermaids and Wrapped Around Your Finger
アルバムの曲のアップがないので、日本デビュー・アルバム、「Steppin'Out」から2曲、トリオによるライブ映像をアップしておきます。曲はオルサー自身の曲で、「Die Irren」。「惑い、迷い」という意味でしょうか。もう一つは「スティング/Sting」の曲で、「Every Little Thing She Does Is Magic」。