さて今宵、「サラ・マッケンジー/Sarah Mckenzie」。1987年、オーストラリア、パース生まれ。最近は、パリに活動拠点を移しているが、元々メルボルンを拠点に活躍するピアノ弾き語りの若手女性歌手である。25歳のデビュー作、「Don’t Tempt Me」(2010)、そして第2作、「Close Your Eyes」(2012)は、アメリカのグラミー賞と同じほどの影響力を持つといわれるオーストラリアのARIAミュージック・アウォーズを受賞したという。弾力的でよく弾む声、やや高めの声ながら、明るくクリアーで冷たさを感じさせない。スキャットやハミングなどのワザも中々で、飽きさせない。
最新作は、サラが現在住んでいるパリをテーマにしたオリジナル曲を、アルバム・タイトルとした「Paris In The Rain」(2017)。アレンジも自身ですべてを手掛けた本作は、オーストラリアからアメリカ、そしてヨーロッパまでの彼女の旅を詰め込んだアルバムだという。イタリアへの旅は、「When in Rome」、ポルトガルへの旅は、ジョビンの「Triste」、ロンドンは「Tea for Two」で表現されている。