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大屋地爵士のJAZZYな生活

霜柱を踏みしめて初山仕事へ

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 山の初仕事は、日陰にうっすらと雪が積もる中を、霜柱を踏みしめて山頂まで上る。山頂のちいさな岩にお神酒を捧げ、二礼二拍一礼と作法通りに、安全祈願をするのが慣わし。また今年の山作業が始まるのだ。活動フィールドの公園は48ヘクタールと広大。毎年一年間ほぼ同じような作業を繰り返すのだが、その影響や効果などたかがしれているかもしれない。しかし、繰り返して続けることが大事なことだと信じている。途中、「モミ(樅)」の大木を仰ぐ。たしか一昨年、落雷にあって、幹の上部が真っ二つに裂けている。それでもなお、青々とした葉を茂らせ、必死に生きながらえている。仲間の爺さんたち、なんとなく我が身になぞらえ、しばし感嘆と共感の思いで仰ぎ見る。そして、炭焼きの準備をしながらの正月談義、孫談義。「来るのは嬉しいが、帰るのも嬉しい」。そんな意見に皆がうなづく。正月は突然、穏やかな日常に、非日常が割り込んでくるのだから、それが爺婆たちの本音であろうか。

 今宵の歌は、「Here's To Life」。「これこそが人生」というような意味でしょうか、そんなタイトルがつけられていた歌に聴き入ったのは、「60歳過ぎたら聴きたい歌」でも書きましたが、定年を迎え、会社人生に一区切り付け、多分その後の暮らし方や生き方に、多少不安や戸惑いを覚えていたからであろう。そんな時に、初めて聴き、私の心に響いたのが、この歌。作詞「フィリス・モリナリー/Phyllis Molinary」、作曲「アーティー・バトラー/Artie Butler」。

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 この歌が有名になったのは、「シャーリー・ホーン/Shirley Horn」が1992年にリリースしたアルバム「Here's To LIfe」。「シャーリー・ホーン」といえば、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」などに代表される、ピアノ弾き語りスタイルの女性ジャズ・シンガーの元祖として、50年代半ばから活躍したアーティスト。しかし晩年は、乳がんと糖尿病と関節炎と闘い、脚も切断し、満身創痍の日々を送っていたが、2005年に脳卒中で倒れ、亡くなった。71歳だった。代表する傑作アルバムは「Here's To LIfe」(1992)と、「I Remember Miles」(1998年)である。

 アルバム「Here's To Life」を1990年にレコーディングするに当たって、マイルスが2曲に参加することになっていたらしいが、レコーディングが実現する前に、マイルスは死んでしまった。この歌を聴くと、彼女の71年の人生がこの歌に凝縮されているような思いがこみ上げてくる。多くのアーティスト達がカバーしているこの歌、多分、この歌はもう「スタンダード・ソング」になっているといってもいいだろう。 (再録)

【 Here’s To Life 】
             Lyrics;Phyllis Molinary, Music;Artie Butler

「♪ No complaints and no regrets.    不平も無いし、後悔もしていません
  I still believe in chasing dreams     私はまだ夢を信じて追いかけ、
           and placing bets.    その夢に賭けているのです
  But I have learned            あなたは得たもの全てを
      that all you give is all you get   私に与えてくれたんですね
  So give it all you got.           得たもの全てを私に

  I had my share,              それに比べ、私は自分の取り分をもらうと、
      I drank my fill, and even though  自分ひとりだけで目一杯飲んでいたのです
  I'm satisfied I'm hungry still     それで満足すべきなのに、まだ足りないと思っていた
  To see what's down another road,     でも、丘の向こうにつづく
            beyond the hill     もうひとつの道を見て
  And do it all again.             全てをもう一度やり直そうと思ったのです

  So here's to life             そう、これこそが人生と思える人生を
       and all the joy it brings.    あらゆる喜びをもたらしてくれる人生を
  Here's to life for dreamers         夢見る人たちやその夢にとって
       and their dreams.        これこそが人生と言える人生を

  Funny how the time just flies.   どうして時は速く過ぎてしまうでしょう、不思議ですね
  How love can go from         どうして愛は暖かい出会いから 
      warm hellos to sad goodbyes    悲しい別れへと移ってしまうのでしょうか
  And leave you with the memories    どうして愛はあなたに想い出だけを残して
          you've memorized     去っていってしまうのでしょうか  
  To keep your winters warm.     暖かい気持ちにしてくれた冬の思い出をのこして

  For there's no yes in yesterday.   でも、昨日あったものは、もうここにはありません
  And who knows            そして明日が何をもたらして何を持ち去るかなんて
   what tomorrow brings or takes away.  誰に分かるというのでしょうか
  As long as I'm still in the game I want to play 私がまだこの人生ゲームをしている限り
  For laughs, for life, for love.       笑いや人生や愛のためにしたいと思うのです

  So here's to life           だから、これこそが人生なんです 
    and every joy it brings.       あらゆる喜びをもたらしてくれる人生なんです 
  Here's to life,              これこそが人生なんです
     for dreamers and their dreams.   夢見る人たちやその夢にとっての

  May all your storms be weathered,  あなたを襲ってくるだろう全ての嵐を切り抜ければ
  And all that's good get better.      すべてが良くなっていく
  Here's to life,              それが人生なんです 
    here's to love, here's to you.    それが愛なんです それがあなたなんです

  May all your storms be weathered,  あなたを襲ってくるだろう全ての嵐を切り抜ければ
  And all that's good get better.      すべてが良くなっていく
  Here's to life,              これこそが人生なんです 
    here's to love, here's to you. これこそが愛なんです これこそがあなたなんです ♪」


   
 「ジョニー・マンデル/Johnny Mandel」がアレンジ、指揮を担当した大編成のストリングスをバックにしてのシャーリーの熱唱。

ヒアズ・トゥ・ライフ

シャーリー・ホーン / ユニバーサル ミュージック クラシック



「Shirley Horn - Here's To Life (Verve Records 1992)」

          

 実は、定年退職の頃、最初にこの歌を聴いたのは、「ジャシンサ/Jacintha」のアルバム、「 Autumn Leaves: The Songs of Johnny Mercer」であった。いたく心に沁みたことをいまでも覚えている。この歌「Here's To Life」は、この「ジョニー・マーサー/Johnny Mercer」へのトリビュート・アルバムの中で、ただひとつ、「ジョニー・マーサー」以外の手になる詩としてボーナス・トラックに収録されていた。おそらく「ジャシンサ」のマーサーに対する思いを込めたのでしょう。それもお聴きいただきましょうか。
   

Autumn Leaves: The Songs of Johnny Mercer

JacinthaGroove Note



「Jacintha - Here's to Life」

          




   
by knakano0311 | 2018-01-07 10:09 | 炭焼き小屋から | Comments(0)
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