「ガブリエル・デュコンブル」。ベルギーで生まれ、幼い頃から音楽的環境に恵まれ、歌い始めたという。地元や国内のコンクールで勝ちを収め、最終的には、2003年のフランスの「ポップ・アイドル」コンクールの決勝まで進んだ。やがてレコード・デビュー、フレンチ・ポップのヴォーカリストとしてアイドル的人気を誇るいう成功を収めたが、それで満足できなかったようだ。、「ディー・ディー・ブリッジウォーター/Dee Dee Bridgewater」のアルバム、「Dear Ella」を聴いて衝撃を受け、直ちにジャズへの転向を決意したという。ロンドンに移った彼女は音楽学校でジャズを学び、ブリッジウォーターへのオマージュでしょう、アルバム「J’ai Deux Amours(二つの愛)」(2011)でのデビューに至ったという。
「リベルタンゴ/Libertango」は、アルゼンチンのバンドネオン奏者、「アストル・ピアソラ/Astor Piazzolla」作曲の1974年発表のタンゴの楽曲。「Libertango」は、「libertad=自由」 と「タンゴ=tango」とを合わせて作った造語だという。この曲には歌詞がつけられていて、英語バージョンのものは、ジャマイカ系アメリカ人の歌手、モデル、女優で、007シリーズ、「007 美しき獲物たち/A View To A KIll」で強烈な印象を残した、「グレース・ジョーンズ/Grace Jones」の「I've Seen That Face Before(あの顔は見たことがある)」バージョンが知られていて、デュコンブルもこのバージョンの詩を歌っている。
【 I've Seen That Face Before/Libertango 】
「♪ Strange, I've seen that face before 奇妙だ あの顔は前に見たことがある
Seen him hanging 'round my door 僕に家の周りをほっつき歩いていた
Like a hawk stealing for the prey まるで獲物を狙う鷹のように
Like the night waiting for the day 夜明けを待つ夜のように
Strange, he shadows me back home 奇妙だ 彼は僕を家までつけてくる
Footsteps echo on the stones 石畳を歩く足音が響く
Rainy nights, on Hausmann Boulevard 雨の夜 ハウスマン通りで
Parisian youths, drifting from the bars 若いパリジャンがバーから出てくる
Tu cherches quoi, rencontrer la mort?
Tu te prends pour qui
Toi aussi tu detestes la vie
(What are you searching for? 何を探しているのだろう?
To encounter death? 死に出くわすかもしれないよ?
Who do you take yourself to be? 誰に会いたいの?
You too detest life… ) 君も人生を嫌悪しているの?
Dance in bars and restaurants バーかレストランで踊って
Home with anyone who wants 誰でもいいから好きな奴を連れて家に帰れ
Strange he's standing there alone でも奇妙だね 彼はひとりで突っ立っている
Staring eyes chill me to the bone. その見つめる目が僕を骨まで凍らせる