「♪ Looking out across the nighttime 夜の向こう側を眺めると
The city winks a sleepless eye 街がその眠らない目でウィンクしてくる
Hear his voice, shake my window そのざわめきが僕の心の窓を揺らし
Sweet seducing sighs あまい誘惑のため息を吹き付ける
Get me out into the nighttime 僕をあの夜の中に連れ出してくれ
Four walls won't hold me tonight 今夜は壁に囲まれていたくない
If this town is just an apple もしこの街が林檎だというなら
Then let me take a bite 一口でいいから味合わせてくれ
If they say, もし、どうしてって聞かれたら
Why, why, tell 'em that it's human nature 「彼だって普通の人間さ」と答えて
Why, why, (does he do me that way) なぜ神様は僕をこんな風にしてしまったのだろう
If they say, もし、どうしてって聞かれたら
Why, why, tell 'em that it's human nature 「彼だって普通の人間さ」と答えて
Why, why does he do me that way なぜ神様は僕をこんな風にしてしまったのだろう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
カバーは、まずオランダが誇る国民的シンガー、「トレインチャ/Traincha(本名;トレインチャ・オーステルハウス/Trijntje Oosterhuis)」が「キング・オブ・ポップス」ことマイケルに敬意を表した渾身のカヴァー・アルバム「ネヴァー・キャン・セイ・グッバイ/Never Can Say Goodbye」(2010)から。 1973年生まれの45歳。脂の乗り切ったベテランといっていいでしょう。音楽一家に育ち、10歳の頃から音楽を始め、ジャズ・サックス奏者の「キャンディ・ダルファー/Candy Dulfer」のバンドのボーカルも務めたが、やがて、ポップ・グループ、「トータル・タッチ/Total Touch」を結成、1996年にデビュー、ミリオン・セールスも記録し、着実にキャリアを重ね、4年間程活動したという。しかし彼女は、そのキャリアをあっさりと捨て、元来興味を持っていたソウル、ジャズの世界に進んでいった。
そして、大御所「マイルス・デイヴィス/Miles Davis」。1985年に発表した「You're Under Arrest」に収録されている。長い音楽生活の最後にマイルスがたどり着いたのが、本作に聴かれるポップな世界だったという。当時のマイルスは「マイケル・ジャクソン」と「プリンス」に関心を寄せていたそうで、本作でもマイケルの「ヒューマン・ネイチャー」とシンディの「Time ・・・」をカヴァーしている。本アルバムにおけるポップ・サウンドは、マイルスの一つの到達点といってもいい。