今年は台風も含め、豪雨の当たり年。そこで、多くの方の声を代弁して、今宵の曲は、「I Can't Stand In The Rain」。「この雨、私はもう耐えられない」。そんな意味でしょうか。ソウル・シンガー、「アン・ピーブルス/Ann Peebles」ほか、「ドン・ブライアント/Don Bryant」、「バーナード・ミラー/Bernard Miller」による1973年の曲。のち、「イラプション/Eruption」、「ティナ・ターナー/Tina Turner」のカバーによりヒットした。
【 I Can't Stand In The Rain 】 by Bernard Miller, Don Bryant, Ann Peebles
「♪ I can't stand the rain 降り続くこの雨にもう我慢できないわ
Against my window 窓に打ち付ける雨
Bringing back sweet memories 幸せだった思い出を蘇らせる
I can't stand the rain この雨にもう我慢できないわ
Against my window 窓に打ち付ける雨
Cause he ain't here with me だってもうあの人は去ってしまったから
Hey windowpane ねえ、窓ガラスさん
Tell me, do you remember 覚えていたら言って
How sweet it used to be あの頃どれだけ幸せだったかを
When we were together ふたりが一緒だったときは
Everything was so grand なんもかもが最高
Now that we've parted 別れてしまったいまは
There's just one sound ただ雨の音だけが聞こえるだけ
That I just can't stand もう耐えられないわ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
さて、歌姫は、目力姉御、「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」。アルバム、「Blue Light 'Til Dawn」(1993)、「Closer To You: The Pop Side」(2009)に収録されている。ミシシッピ州ジャクソン生まれのカサンドラにとってブルースは、彼女自身のアイデンティティそのものであり、ルーツでもある。その彼女の親しんできた愛唱曲を集めたアルバムが、「ブルー・ライト」。彼女の力強い歌声と自分の世界を創りあげてしまう天才的な表現力は、まぎれもなく、最高のジャズ・ディーヴァであり、1996年度、2008年度のグラミー賞最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞の受賞者で、1990年代を代表するジャズ歌手の一人である。