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大屋地爵士のJAZZYな生活

母を思い出す花

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          甲子園の熱戦終わり夕風にノウゼンカズラの残り花散る  豊子


 花が好きだった母。母を思い出す花はいくつかあるが、その花の一つが、「ノウゼンカズラ(凌霄花)」。ご近所の石塀に、今年もまた真っ赤な大輪の花が開いた。この花にはなぜか派手さより哀切を感じるのは、その赤の深さゆえだろうか。
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 今宵の曲は、「Alfonsina y el Mar/アルフォンシーナと海」。この曲を初めて聴いたのは、「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」のアルバム、「テラ・フリオーザ/Terra Furiosa」であった。

 「アルフォンシーナ」とは、「アルフォンシーナ・ストルニ/Alfonsina Storni」(1892〜1938)というアルゼンチンの女流詩人。苦悩の人生を辿り、最終的には自身が癌に侵されたことを苦に1938年46歳の折、入水自殺をしてしまった。

 1938年10月22日、アルフォンシーナはブエノスアイレスの駅から、有名な海岸の避暑地マル・デル・プラタに向かう列車に乗り込んだ。二日後の夜中、一人息子のアレハンドロに手紙をしたためると、深夜の1時ごろ海へ向かったという。そして数時間後、近くを通りがかった若者が波打ち際で息絶えていたアルフォンシーナを見つける。「ばあや、もう眠るから・・・。灯りをもう少し落として。一人にして。 ・・・ 」という残された最後の詩とともに夕刊で偉大な詩人の死は伝えられた。(Wikipedia参照)

 その後、彼女の最後の詩をもとに、1969年に「アリエル・ラミレス/Ariel Ramírez」と「フェリックス・ルナ/Félix Luna」によって書かれた曲が、「アルフォンシーナと海」というサンバである。「メルセデス・ソーサ/Mercedes Sosa」によって最初に歌われてから、世界中の歌手に歌われるようになった。

「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ばあや、灯りをもう少し落として
    私はゆっくり眠るから
    もし彼が電話してきたらここにはいないと伝えて
    アルフォンシーナはもう戻ってこないと伝えて

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

 耽美的な美メロが魅力の「ミケーレ・ディ・トロ/Michele Di Toro」。ソロ・ピアノ中心のアルバム、「Thanks(Piano Solo)」から。全11曲のうち、この曲を含め、2曲だけがトリオ演奏。切なさと優しさと愛しさをこめて、「ミケーレ・ディ・トロ」が奏でる「アルフォンシーナと海」 ・・・。

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 THANKS-PIANO SOLO
 Michele Di Toro
 MUSIC CENTER






「Alfonsina y el Mar - Michele Di Toro」

          
  


  


by knakano0311 | 2019-06-24 11:49 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Comments(0)
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