この長雨、昨年の「西日本豪雨」を上回る総雨量・期間だと予報されている。新聞によると、この九州南部での豪雨の影響で、鹿児島市にある世界文化遺産、「寺山炭窯跡」の大部分が、土砂崩れによって埋没したとの報道。
この遺跡は、2015年、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として、世界文化遺産に登録された所。「寺山炭窯跡」は、幕末期の1858年、近代化を急ぐ薩摩藩主「島津斉彬」が、石炭が産出されない薩摩で、集成館事業であった鉄を精錬する反射炉・高炉、蒸気機関などの燃料に使う、火力の強い木炭を大量に製造するため、同市吉野町に建設されたもの。3基の炭窯が築かれ、今も残っているそのうちの1基である。ここで焼かれた炭は、「備長炭」などと同じ製法、種類の「白炭」と呼ばれ、火持ちが良く、高温を発し、重宝されたと言われている。我々の焼いている「一庫炭」、「クヌギ(櫟、椚)」を材料とする「黒炭」とは、材料、製法が違うが、炭焼きの歴史を証言する遺産として、機会があれば、ぜひ一度見たかったところである。(写真はNETより拝借)
我々が活動している山にも豊臣黄金埋蔵伝説で知られる「多田銀銅山」の鉱脈が走り、山中には「間歩(まぶ)」と呼ばれる露天掘りの跡が、炭窯跡と一緒に多く点在している。この地域で産出した銅が、奈良の大仏建立に寄進されたという言い伝えもあるところから、かってはこの山で焼いた炭で精錬を行っていたのであろう。そんな歴史的背景もある。
関西地方も今夜から明日にかけ、相当量の雨量が予想されている。我々の炭窯も、土砂崩れはないと思うが、窯内への雨の流入や土だけで出来ている天井の崩落が心配。午後から様子を見に行き、点検と雨水路の掃除を行った。
さて、今宵のアルバム、「グラジーナ・アウグスチク&ポリーニョ・ガルシア/Grazyna Auguscik & Paulinho Garcia」による「ふたりのボサノヴァ~ビートルズ・ノヴァ/The Beatles Nova」(2013)に続くシリーズ第2弾、リリースされたばかりの「ふたりのボサノヴァⅡ~想いあふれて/Bossa e outras Novas」。
ポーランドを代表するジャズ・シンガー、シックな歌声の「グラジーナ・アウグスチク」と軽やかなアコースティック・ギターが特長のブラジリアン・ギタリスト、「パウリーニョ・ガルシア」という、いぶし銀の二人によるビートルズのボサノヴァ集。
「グラジーナ・アウグスチク」、1955年ポーランド生まれのジャズ・ヴォーカリスト、作曲家、アレンジャー。故国ポーランドでギターを学んだあと、ボストンのバークレー音楽院でボーカルを学んだという。歌手としてのデビューは、1977年。その後ポーランドで、いくつかの賞に輝いたが、1988年アメリカに移住、あまたのミュージシャンとのセッションを行うとともに10数枚のアルバムをリリース。現在は、シカゴに在住し、音楽活動を続けている。
一方の「ポリーニョ・ガルシア」。1948年、ブラジル生まれ。子供の頃、歌を皮切りに音楽を学び、10代の頃はドラム、ベースと変遷、最終的にギターに落ち着いたという。1979年にシカゴに移住、ブラジル音楽を主とした音楽活動を続けている。そんなシカゴ在住の二人が出会い、もう10数年来の親交を続けている中で、ふたりのコラボ・アルバムは、第3作目のようだ。
ガット・ギターで紡がれるナチュラルで柔らかなボサノヴァと、アンニュイな雰囲気をもち、そっとつぶやくような美しい歌声。そんな「ふたりのボサノヴァⅡ」のキャッチにはこう書いてあった。『東欧と南米の美しいコラボレーション』。
ふたりのボサノヴァ2 ~想いあふれて/Bossa e outras Novas グラジーナ・アウグスチク&パウリーニョ・ガルシア/Grazyna Auguscik & Paulinho Garcia MUZAK/FAB リリースしたばかりのアルバムで、まだYOUTUBEにはアップされていないので、2017年、ポーランド、ボガティニアで行われたジャズ・フェスティバルでのふたりのデュオ・コンサートの様子を ・・・。
「Koncert Grażyna Auguścik i Paulinho Garcia Hałda Jazz 2017」 VIDEO 「ビートルズ・ノヴァ」からも聴いてみましょう。完璧なコーラス・ワークで綴る大人のサウダージ。哀愁漂うコーラスが泣かせる「Because」。
ふたりのボサノヴァ~ビートルズ・ノヴァ/The Beatles Nova グラジーナ・アウグスチク&パウリーニョ・ガルシア/Grazyna Auguscik & Paulinho Garcia MUZAK,Inc. 「Grazyna Auguscik & Paulinho Garcia - Because(The Beatles Nova)」 VIDEO