ちょうどその時聞いていたアルバムが、デンマーク・コペンハーゲンで活躍する、「ヘイネ・ハンセン/Heine Hansen」率いるトリオのアルバム、「When The Sun Comes Out」(2010)。「comes out」と「goes down」の違いはあるが、ジャケットの雰囲気と似ていて、なんだか可笑しくて笑ってしまった。
聴けばそれとわかる憂いを含んだ美メロの北欧ピアノ。リーダー第2作の「Signature」(2016)を聴いて興味を持ったピアニストである。キャリアなどはよくわかっていませんが、1978年生まれの41歳。ピアノのレッスンを始めたのが7歳、ジャズに目覚めたのが14歳だという。18歳でプロ活動を始め、2000年には、コペンハーゲンの「the Rhythmic Conservatory of Music」でジャズの特別教育を受けた。その入学許可を得た時、「何も教えることができない、すでに全てをマスターしているから」と言われたとか。その後、サイドマンやスタジオ・ミュージシャンとして活動を始めたが、彼が注目をあびたのは、ドラマーの「アレックス・リール/Alex Riel」のアルバム、「What Happened?」などに参加してのこと。ハンセンの初リーダー作が、今回取り上げるアルバム、「When The Sun Comes Out」(2016)。その年、2016年には、デンマークの権威あるジャズ賞である「ベン・ウェブスター・アワード/The Ben Webster Prize」を受賞。
「ハイネ・ハンセン」の初リーダ―作、「When The Sun Comes Out」。日本人好みの憂いを含んだ北欧テースト。サポートするリズムも歯切れがいい。ジオリジナル、「Minor Up Blues」やタイトル曲のスタンダード、「When The Sun Comes Out」、「The Boy Next Door」、プレスリーの「Are You Lonsome Tonight」など全10曲。パーソナルは、「Heine Hansen(piano)」、「イェスパー・ルンゴー/Jesper Lundgaard(bass)」、「 モルテン・ルンド/Morten Lund(drums)」。