「大きな焚き火」のことを英語で、「bonfire」という。イタリアのジャズ・ピアニスト、「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」に、「The Moon And The Bonfires」(2015)というアルバムがある。今宵はそこから2曲。
「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」。1971年、イタリアは「ドモドッソラ」生まれ。幼少の頃から、クラシックのピアノとオルガンを習い、名門「ベルディ音楽院」ではオルガンを専攻。その後、ミラノのカソリック大学では哲学を学ぶ傍ら、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」らからジャズ・ピアノを学んだという。その後、今回もトリオとして一緒に来日している「ユーリ・ゴロウベフ/Yuri Goloubev (doublebass)」、「マウロ・ベッジオ/Mauro Beggio (drums)」とピアノトリオを結成、2012年に、「ジャズ・ディスク大賞金賞」を受賞した「Steppin'Out」、そして2015年「澤野工房」からの初リリースが、「The Moon And The Bonfires」。
私が初めて聴いたアルバムも、この「The Moon And The Bonfires」。そして、初めてステージを聴いたのが、2016年12月、「Hyogoクリスマス・ジャズ・フェスティバル2016」であった。いや、ピアノの音の透明感が尋常ではない。クレジットには、ピアノは、イタリアのピアニストたちが好んで使うという「ファツィオリ/Fazioli Grand Piano F278」を使っていると記載されている。そして、ロシア・モスクワ出身のベーシスト、「ユーリ・ゴロウベフ/Yuri Goloubev」の無骨で太い指から繰り出されるメロディアスで、ダイナミックで、しかも凄まじい早弾きの音とともに強く印象に残るステージであった。ドラムスは、同じくイタリア出身「マウロ・ベッジオ/Mauro Beggio」。