最近見て面白かったTVドラマは、 Amazon の配信で見た「高い城の男/原題:The Man in the High Castle」。ずいぶんと昔に読んだことがあるが、1963年度ヒューゴー賞受賞の「フィリップ・K・ディック/Rhilip.K.Dick」のSF小説「高い城の男」に基づくTVドラマである。全4シリーズ、各10話を、日本では、2016年12月から2019年11月に配信された。
同じディックの小説、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/原題: Do Androids Dream of Electric Sheep?」(1968年刊)の映画化作品である「ブレードランナー/原題:Blade Runner」(1982公開)を監督した「リドリー・スコット/Ridley Scott」が製作総指揮、「Xファイル・シリーズ」の「フランク・スポトニッツ/Frank Spotnitz」が脚本兼任で、スコットと共に製作総指揮を担当しているのだからつまらないわけがない。
「もしも枢軸国が連合国に勝利していたら」という、「歴史に if はないが、もしあらば」といういわゆる歴史改変SF小説であるが、ドラマの仮想世界では、原作にはほとんど出てこなかった史実の世界が絡み、そのパラレル・ワールドが、謎解きのキーワードとなっている。日本人、日本の文化の描き方に多少の違和感はあるが、それを除けば、サスペンス満載で、飽きさせない第一級のエンタメ超大作であった。しかしまあ、お金がかかっていますね。
そして音楽的な遊びの発見がひとつ。このドラマのオープニング流れるのは、ご存じ「エーデルワイス/Edelweiss」。作曲「リチャード・ロジャース/Richard Rodgers」、作詞「オスカー・ハマースタイン2世/Oscar Hammerstein II」のゴールデン・コンビで、映画「サウンド・オブ・ミュージック/Sound of Music」(1965)で使われた有名な曲。ところが、クレジットを見ると、作詞・作曲「ヘンリー・ジャックマン/Henry Jackman」、「ドミニク・ルイス/Dominic Lewis」とあるではないか。どういうことだ ・・・。しばらく疑問に思っていたのだが、シリーズを見終わって気がついた。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」でこの歌を歌うのは、「ゲオルク・フォン・トラップ/Georg Ludwig von Trapp」大佐役を演じた「アーサー・クリストファー・オーム・プラマー/Arthur Christopher Orme Plummer」。トラップ大佐は、実在したオーストリア=ハンガリー帝国海軍将校で、第一次世界大戦の英雄。1938年のナチスドイツのオーストリア併合を機にアメリカへ家族と共に亡命し、彼のファミリー・ストーリーを元に、1959年にブロードウェイ・ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」として製作されたという。
「♪ Edelweiss, Edelweiss エーデルワイス、エーデルワイス Every morning you greet me 毎朝私に挨拶してくれる Small and white clean and bright 小さくて白くて清々しく明るい You look happy to meet me 私会えてうれしそうに見える Blossom of snow may you bloom and grow 雪の花のように咲いて育っていく Bloom and grow forever 永遠に咲いて育っていく Edelweiss,Edelweiss エーデルワイス、エーデルワイス Bless my homeland forever. わが祖国を永遠に祝福してほしい