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大屋地爵士のJAZZYな生活

炭焼きは終わったが ・・・

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 ずらっと並んだ菊炭。第2回目の「炭出し(窯出し)」を終え、やっと今年度の炭焼きが終わった。去年の11月の窯木の伐採から始まり、約3か月に及んだ炭焼きがやっと終わった。太閤秀吉の時代からこの地域で盛んだった炭焼き。とりわけこの地域で産する菊炭は、「一庫炭」、「池田炭」などと呼ばれ、「一は一庫、二は佐倉」と呼ばれ、最高級の「黒炭」として茶の湯で今でも重用されている。
    
 そんなかっての里山の姿や炭焼きの技術を伝承するために、原材料の「クヌギ(橡、椚)」を育てるところから取り組んでいるが、わがボランティア・グループの平均年齢も70歳を超え、かなり作業もきつくなってきている。しかし、こんな炭の出来栄えをみると、また意欲も湧いてくる。ちなみに、入れた窯木が、崩れずに炭としてでてくる割合は97%を超え、過去最高の出来栄えであった。
  
 問題は、この素晴らしい炭の利用であり、需要である。10年サイクルでクヌギを育て、2カ月かけて窯木を作り、1カ月で炭を焼く。その先である。そこがなかなか見えてこない。「利用されてこそ、役に立ってこそ」なのだが ・・・。 「竈門炭治郎」のように炭を生業にしている人は、もうほとんどいない。「炭焼き」は終わったが、「炭物語」はまだ終わっていない。
  

 さて、今宵の曲は、超絶ギター・テクの持ち主、「バーデン・パウエル/Baden Powell」の「Fim da Linha (End of the Line)/小さな終着駅」。アルバムは、「孤独/Solitude on Guitar」(1973)。
   

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 「バーデン・パウエル」は1937年、ブラジルのリオデジャネイロ州に生まれ、父親は靴屋であり、チューバ奏者であった。ヴァイオリンを習っていたが、4歳の頃、ギターに転向。8歳の頃から正統派ブラジル古典音楽の教育を受け始め、10代の頃には、サンバ・クラブに所属し、また15歳でナイト・クラブで演奏を始めたりと、ギタリストとしての腕を上げていったという。
   
 19歳で作曲した「悲しみのサンバ(Samba Triste サンバ・トリスチ)」がヒットし、一躍有名となり、「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」など多くのボサノヴァ・アーティストたちとクラブでの共演を行っていたが、24歳の頃、「ヴィニシウス・ヂ・モライス/Vinícius De Moraes」と出会い、その後アルバム、「アフロ・サンバ/Os Afro-Sambas (Afro-Samba) 」(1966)や、映画「男と女/原題:Un homme et une femme」(1966年公開)のサウンド・トラックの製作などで共作を持った。70年代にはヨーロッパに活動の拠点を移し、楽曲に対するその独特のアプローチと奏法で、その名がヨーロッパ中に知れ渡ることとなる。ブラジル民謡、バッハなどクラシックを取り入れた作曲をさらに追求し、ボサノヴァの範疇に納まらないギター奏者として活躍したが、2000年9月、肺炎の為にリオデジャネイロで死去。
   
   
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 孤独/Solitude on Guitar
 バーデン・パウエル/Baden Powell
 ソニーミュージックエンタテインメント








「Fim da Linha (End of the Line) - Baden Powell」
  
     







by knakano0311 | 2021-02-06 17:30 | 炭焼き小屋から | Comments(2)
Commented by photofloyd at 2021-02-07 10:34
今年も立派な炭が出来上がったようですね。
あの輪切りした菊の姿は惚れ惚れしますね。

Barden Powell いいですね。私は昔のPHILIPSのLPを大切にしています。
今もLPを聴きたくなったら最初に聴いてます。そうですね、私にとっての最高はアルバム「TEMPO FELIZ」です。
LP時代の想い出が込められたアルバムで、CDではとてもあの感動はありません(馬鹿ですね・・笑い)。
Commented by knakano0311 at 2021-02-07 13:48
> photofloydさん
もう10年続けていますが、なかなか奥が深く、先人の知恵にいつも驚いています。Barden Powell ですが、もう手元にありませんが、最初に手に入れたLPが、鉛筆スケッチ風の顔ジャケの「a vontade」でした。いつかあんな風に弾けるようになりたいとギターを練習した時期も ・・・。
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