朝起きたら、万葉の花、「ヒオウギ(檜扇)」が、一輪だけ咲いていた。いつも初めに咲くのは、濃いオレンジ色に赤い斑点が入る「シンリュウ(真竜)」から。
通常、7~8月頃に咲く「ヒオウギ(檜扇)」は、山野の草地や海岸に自生するアヤメ科の多年草で、午前中に咲き、夕方にはしぼむ一日花。厚みのある剣状の葉が長く扇状に広がるため、この名が付いたといわれる。日本では古くから親しまれており、京都では祇園祭には欠かせない花で、時期が来ると軒先などに「ヒオウギ」が飾られるという。
「ヒオウギ」の種は、「ヌバタマ(射干玉)」と呼ばれる。「ヌバタマ」は、黒いものをあらわす枕詞で、万葉集には、「ヒオウギ」の種、「ヌバタマ(射干玉)」 を読んだ歌が80首ほどあるそうだ。
淡紅色の花を咲かせるのは、「コマツナギ(駒繋)」。本州、四国及び九州に分布するマメ科の落葉低木。草原や路傍などで普通に見られ、「ハギ(萩)」に似た花を咲かせるため、ノハギ野萩、カワラハギ河原萩、などの地方名で親しまれるという。
「駒繋」という和名は、太くて逞しい根が地中に張り巡らされるため、枝に馬を繋ぎ留めることができることに由来するという説と、葉が馬の大好物であり、馬がこの木から離れなくなることによる、とする説がある。低木であり、枝や幹もそれほど太くならないことから、後者の説が有力視されているという。
ウォーキングしていたら、今年初めて聴く蝉の声。いつも最初に鳴くのは「ニイニイゼミ」。梅雨ももうすぐ明ける。
今宵のJAZZは、和テイスト。ポーランドの歌姫、「アンナ・マリア・ヨペック/Anna Maria Jopek」のアルバムに、ジャズ・ピアニスト、「小曽根 真」、邦楽笛奏者の「福原友裕」とコラボし、日本とポーランドの伝統音楽を結びつけた極上のセッションのアルバム、「HAIKU(俳句)」(2014)がある。
このアルバムは、福原の作曲になる「Yoake(夜明け)」に始まり、「和泉式部」の和歌に着想を得たという「Biel/ビェル(白)」、ポーランドの民族舞曲「OBEREK / オベレック」や「KUJAWIAK /クヤヴィアク」などを経て、やはり福原の手になる最終曲の「Yuugure(夕暮れ)」で幕を閉じる。さらに歌舞伎から題材をとった「Do Jo Ji(道成寺)」では、和太鼓、大鼓、小鼓などが演奏に使われている。
福原の奏でる篠笛、そして和太鼓などが、ポーランドのミュージシャンたちとのコラボに違和感なく溶け込み、、まさに両国の伝統音楽を結び付け、「和と洋との邂逅」を際立たせていることに驚嘆する。
HAIKU アンナ・マリア・ヨペック&小曽根真 Universal Poland 「道成寺(インストゥルメンタル)」、そして「Biel/ビェル(白)」から。
「Do Jo Ji(道成寺) - Anna Maria Jopek & Makoto Ozone」 VIDEO 「Biel - Anna Maria Jopek & Makoto Ozone」 ポロネーズ、マズールと並んで、ポーランドの民族舞曲の一つ、「Kujawiak(クヤヴィアク)」。ポーランド中部のクヤヴィ地方の発祥であり、名前もこの地方に由来するという。
「Kujawiak - Anna Maria Jopek & Makoto Ozone」 いずれもポーランドの民謡で、「Dolina/ドリナ (谷)」、「O, Mój Rozmarynie/オー・ムイ・ロズマリーニェ(ローズマリーよ)」。
「Anna Maria Jopek & Makoto Ozone - Dolina, O Mój Rozmarynie」