緊急事態宣言も解除となり、22日からは、兵庫県でも酒類提供制限、時短制限などが解除された。よく行くショッピング・モールのカフェも再開し、ケーキ屋さんの「ペコちゃん」もマスクをずらして息抜き。制限解除もスロー・スタートではあるが、なんとかハロウィン商戦には間に合い、お店もほっとしているようだ。今日、木枯らし1号が吹いた。
「ハロウィン」は、ヨーロッパを起源とする2500年以上の歴史のあるケルト人の民族行事。古代ケルトでは、新年の始まりは、冬の季節の始まりである11月1日であった。したがって、ケルト人の1年の終り、大晦日は10月31日で、毎年10月31日の晩に行われる。ケルト人の行っていた収穫感謝祭が、他民族の間にも行事として浸透していったらしい。
ヨーロッパのあちこちには、古代ケルトの痕跡が色濃く残っているが、その一つが、フランス、ブルターニュ地方。そのブルターニュ出身のピアニストが、「海辺のピアニスト」と呼ばれ、こよなく海を愛するピアニスト、「ディディエ・スキバン/Didier Squiban」。彼の音楽は、一貫して故郷「ブルターニュ」、そして、「海」がテーマである。
彼の音楽の特徴は、クラシック音楽、ジャズ、そしてブルターニュ地方の伝統音楽との融合。JAZZのカテゴリーに入るかどうかは疑問であるが、「ウィンダム・ヒル」と同じように「ヒーリング」、「環境音楽」のカテゴリーに入るのは間違いないだろう。
1959年、ブルターニュ地方の「プルーダルメゾー」に生まれる。8歳のときに教会のオルガンに魅せられてピアノを始め、1977年、「ビル・エヴァンズ/Bill Evans」を知った頃から、自分のスタイルを磨いていき、ジャズ・オーケストラの結成や、ケルトの文化遺産を守るための音楽活動への参加などさまざまな活動を経験。
1997年より、「ブルターニュ、海」をテーマにしたソロ・ピアノ3部作となるアルバムを発表し、大きな評価を得た。そして、その音楽的インスピレーションの源になったのが、故郷「プルーダルメゾーの海」であったという。「まるで予定調和のようなヒーリング・ミュージック」という辛口の評価もあるが、聴いていると、コロナ禍で疲れた心を意外と軽くしてくれるようだ。訪れたことはないがブルターニュの海の風景が私の心の中に浮かんでくる。一日中流していても邪魔にならず、心安らぐ良質のBGMである。
三部作、第一作目のアルバムは、ブルターニュの伝統音楽、「ケルト音楽」へのオマージュとなった「Molene/モレーヌ」。1999年第二作としてリリースした「Porz Gwenn/ポルス・グウェン」。「ピアノ・ソロ」三部作の最後は「Rozbras/ロスブラス」。ブルターニュ地方の伝統的な「Gwerz/グウェルス」と呼ばれる、アカペラ・ソロで歌われる「哀歌」をイメージして、12曲のバラードをちりばめたアルバムである。
MOLENE/モレーヌ~この世の果て(ピアノ三部作(1))
ディディエ・スキバン/Didier Squiban
avex io Porz Gwenn/ポルス・グウェン~白い港(ピアノ三部作(2))
ディディエ・スキバン
avex io Rozbras/ロスブラス~12の色彩(ソロ・ピアノ三部作(3))
ディディエ・スキバン
avex io第一作のアルバム「 Molene」から「組曲;三つの石/Tri Men」の第一曲目「パラダイス/Ar Baradoz」。心の中にやすらぎの海が広がりますでしょうか?
「Didier Squiban - Molene - Ar Baradoz」 3部作ともフルアルバムがアップされています。3つとも聴けば、さすがに、眠くなってしまうかもしれませんが ・・・。
「Didier Squiban - Molene complete」 「Didier Squiban - Porz Gwenn」 「Didier Squiban - Rosbraz」