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大屋地爵士のJAZZYな生活

炭焼き入門講座(3) 炭窯の中はどうなっているのか

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 今日は、本番の「炭焼き」にちょっと近づいた話。写真は、我々が使っている炭窯です。この炭窯は、黒川地区で生業として炭を焼いている今西氏の指導により、「しごき打ち」と呼ばれる方法で、平成15年(2003)に作られました。炭窯は使わないと崩れやすく、メンテナンスをしながら、うまく使えば 百年使えるといわれています。特に天井は土だけでできているので崩れやすく、人や獣が天井に上らない様、対策を講じていますが、現実に崩落した例も見聞きしています。我々も炭焼き前後に必ず点検をし、都度補修を行っています。炭窯を作ったり、補修するには良質の粘土が必要であり、この公園には、その粘土を採取できる場所がいくつかあります。また、窯が湿っているといい炭が焼けないので、雨が窯に流入しないように対策をしたり、時には窯を開け、風を通したりしています。
  
 ところで、炭窯には、「一庫炭」のような、「ナラ(楢)」系の木材が多く使われる「黒炭」を焼く「黒窯」と、「ウバメガシ(姥目樫)」など、堅い「カシ(樫)」系の木を原材料とする「備長炭」のような「白炭」を焼く「白窯」とがあります。製法が違うため、窯の構造もすこし違います。この入門講座シリーズでは、「黒炭」、およびそれを焼く「黒窯」についての話ですので、ご承知おきください。
   
  
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 窯の構造です。入口(焚き口)は狭く、這って入らなければなりませんが、中は意外なほど広く、普通の人なら立って作業ができます。窯の一番奥の下側に、「弘法の穴」と呼ばれる排煙口(クド)につながる穴が開いています。この炭窯の技術を、「弘法大師」が中国より持ち帰ったという伝承により名付けられたといいます。まあ、この時代のハイテクはすべて弘法大師が持ち帰ったということになっていますから ・・・。
  
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 この窯に、炭の材料である長さ80㎝に切った「クヌギ」の窯木、約500本を縦に、その上に炭化を助長するための「バイタ」と呼ばれる枝葉を束ねたもの、約80束をぎっしりと詰めます。暗闇の中、裸電球下での作業、結構大変です。「炭を焼く」と言いますが、「窯木」そのものを焼くのではなく、詰めた窯木と焚き口をトタン板で隔て、焚き口で薪を燃やし、その熱風を窯の中に送り込んで、窯木が自分で熱分解を起こしていく温度、500~600℃まで上げるのです。すると熱で木に含まれている水分、有機物が分解し、煙となって無くなったあと、高融点の炭素が残って炭になるわけです。
  
 熱風がまんべんなく窯内を繰り返し巡り、窯全体の温度を上げていくために、絶妙な位置と大きさで「弘法の穴」がついていると、先人の知恵に感心します。最初は、熱風が巡りにくく、温度が上がりにくいため、天囲口(天井口)を開け、煙が回りだし、道ができたら閉めます。「炭焼き」なんてローテクの塊かと思いきや、何の何の、我々から見ても、科学的で合理的な知恵がいっぱい詰まっていると感心します。
   
 今宵の音楽、「Dancing In The Dark」。作詞、「ハワード・ディーツ/Howard Dietz」、作曲、「アーサー・シュワルツ/Arthur Schwartz」のコンビの手になる1931年の作品ですが、「ヴィンセント・ミネリ/Vincente Minnelli」監督のアメリカ・ミュージカル映画「バンド・ワゴン/原題;The Band Wagon」(1953年)で主演の「フレッド・アステア/Fred Astaire」と「シド・チャリシー/Cyd Charisse」の華麗なダンス・シーンですっかり有名になりました。
  
   
【 Dancing In The Dark 】 by Arthur Schwartz / Howard Dietz
  
「♪ Dancing in the dark 'til the tune ends 暗闇で踊る、曲の終わりまで
  We're dancing in the dark and it soon ends 踊っていてもすぐ終わってしまう
  We're waltzing in the wonder of why we're here なぜここに?と訝りながら踊る
  Time hurries by, we're here and we're gone 時は早い、今いたのに、もういない
    
  Looking for the light of a new love 新しい愛の光を求めて
  To brighten up the night, I have you love 夜を明るくするためにあなたを愛する
  And we can face the music together だから二人で音楽に向き合える
  Dancing in the dark   暗闇の中で踊っていても
      
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」
  
  
 「ダイアナ・クラール/Diana Krall」です。アルバム、「The Look of Love 」(2001)から。
   
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 The Look Of Love
 ダイアナ・クラール/Diana Krall
 Verve




  

  
「Dancing In The Dark - Diana Krall」

      





by knakano0311 | 2021-11-14 00:00 | 炭焼き小屋から | Comments(2)
Commented by reikogogogo at 2021-11-14 07:28
陶芸の罐焚きが始まると交代で薪をくべ徹夜です。
高齢者でも見学できる地だったライって見たいですね。
焼き上がったあの見事な炭。
大自然の中、視覚・臭覚、全身で歴史ある炭焼きを観たいです。
Commented by knakano0311 at 2021-11-14 10:11
> reikogogogoさん   
「炭焼き体験塾」と称して、子供から高齢者まで、一般の方を募集して、一緒に炭焼きをしています。ただし、窯入れから窯だしまで、一窯焼くのに、2週間かかり一般の方には、最初の二日(窯入れ、窯焚き)と最後の一日(窯だし)の3日間参加してもらっています。お土産は、米袋いっぱいの菊炭と木酢液。プロの炭焼き師は徹夜で作業しますが、我々は窯焚きを朝から8時間ほど行って、窯木が自分で熱分解を始めるのを確認し、夜は自宅に帰ります。
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