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大屋地爵士のJAZZYな生活

名伯楽「丸谷明夫」さん逝く

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 高校吹奏楽部の名指導者として知られる全日本吹奏楽連盟前理事長の「丸谷明夫(まるたに・あきお)」さんが7日、死去した。76歳だった。
    
 1964年、大阪府立淀川工業高(現・淀川工科高)で吹奏楽部の指導を始め、顧問・指揮者として、「吹奏楽の甲子園」とも呼ばれる全日本吹奏楽コンクールに長年出場、金賞受賞を約30回果たし、同高を吹奏楽の名門校に押し上げた。関西弁の熱血指導で知られ、全国各地で公演した。佐渡裕さんら世界的指揮者との共演も多く、「丸ちゃん」の愛称で親しまれた。(写真もNETより)

 アマチュアの市民楽団やオーケストラの運営は、自治体からの支援も厳しく、大変だと思う。団員の皆さんの音楽への熱意、そしてなにより市民のサポートが長続きをさせる秘訣であり、また、熱意あるリーダーというか、人たらしの上手な指導者の存在が欠かせない。「丸谷明夫」さんはその見本のような「名伯楽」であった。考えてみれば、3年で卒業してしまう生徒を束ねて、30回金賞って大変なことである。高校野球を考えてみれば、そのすごさがよくわかる。

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 以前、大阪で住んでいたマンションの隣が「大阪府立淀川工業高校(現;淀川工科高校)」であった。「丸谷明夫」さんは、同じマンションに住んでいて、よくお見かけした。つまり、彼は、吹奏楽の指導をするために、学校に隣接するそのマンションに住いを構えたのである。そして、団地の夏まつりには毎年、「日ごろのお礼」と称して、クラブ員を引き連れ、ミニコンサートを行ってくれた。小柄で、人懐っこい柔和な丸い顔、「丸ちゃん」と呼ばれる所以でもある。でも、生徒たちに見せる顔は少し違うんだろうなと思っていた。やはり、どんな組織でもそうであるが、長続きしている組織には、必ずこういう人、「名伯楽」がいるのである。

 合掌 ・・・・・。
   

 ということで、今宵は管楽器をフューチャーした演奏を。「スーパー・トロンボーン/Super Trombone」という4トロンボーンにピアノ、ベース、ドラムという7人編成の異色コンボがある。あの「マンハッタン・ジャズ・クインテット/Manhattan Jazz Quintet」の「デヴィッド・マシューズ/David Matthews」をプロデューサーとアレンジャーに据え、日本で企画され、95年にNYの最強トロンボーン奏者達により結成されたコンボである。

 名伯楽、「デビッド・マシューズ」の絶妙でジャジーなアレンジにより、映画音楽からスタンダードまで、ジャズ・ファンだけでなく誰もが楽しめる最高のエンタテイメント・アルバムを3枚?リリースしている。どちらかというと地味な楽器であるトロンボーンが、これだけダイナミックでドラマチックなプレイを縦横無尽に展開することに、びっくりすること請け合い。

 NY最強トロンボーン奏者との呼び声高い「コンラッド・ハーウィグ/Conrad Herwig」、「MJO(マンハッタン・ジャズ・オーケストラ)」をはじめ、様々なセッションに引っ張りだこの「ジム・ピュー/James Pugh」と「デイヴ・テイラー/David Taylor」。さらに、「ギル・エヴァンス・オーケストラ/Gil Evans Orchestra」等で活躍しており重厚なサウンドと多彩なフレーズに定評がある「デイヴ・バージェロン/Dave Bargeron」という世界最強の4人のトロンボーン奏者である。

 「スーパー・トロンボーン」の演奏で、「ゴッドファーザー愛のテーマ/The Godfather」を映画音楽アルバム、「ミッション・インポッシブル/Mission Impossible」(2006)から。

   
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 Mission impossible
 スーパー・トロンボーン
 ビデオアーツ・ミュージック







「Super Trombone - The Godfather」

     

 「ディジーガレスピー/Dizzy Gillespie」の「Be Bop」、「ホレス・シルヴァー/Horace Silver」の「Song For My Father」、名曲のカバーを。アルバムは、スタンダード集、「Take Five」(2005)。 


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 テイク・ファイヴ
 スーパー・トロンボーン
 ビデオアーツ・ミュージック







「BEBOP - SUPER TROMBONE」


「Song For My Father - Super Trombone」
  


  

by knakano0311 | 2021-12-12 00:00 | 訃報を聞いて | Comments(0)
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