「マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine」。この歌は、1937年に、「ロレンツ・ハート/Lorenz Hart」作詞、「リチャード・ロジャース/Richard Charles Rodgers」作曲で、ミュージカル「ベイブズ・イン・マイ・アームズ/Babes in arms」のために作られた。2年後に映画化されたが、そこでは「ジュディ・ガーランド/Judy Garland」が歌った。もともとは女性が歌う歌なのだが、男性歌手のバージョンも多い人気スタンダード曲である。いつの間にか「My Funny Valentine」と言えば、「チェット・ベイカー」、彼の十八番となってしまった。
【 My Funny Valentine 】 by R. Rodgers and L. Hart
「♪ My funny Valentine, 私のちょっと変わっている彼、バレンタイン、 sweet comic Valentine 可愛くて面白いバレンタイン You make me smile with my heart あなたといると心から笑顔になる Your looks are laughable, ルックスは笑えるけど、 unphotographable 写真向きじゃない Yet you're fav'rite work of art でもあなたは大好きな芸術作品なの
Is your figure less than Greek? ギリシャ彫刻には到底およばないし Is your mouth a little weak? 口元もちょっとだらしないし When you open it to speak, are you smart? 口を開くと、あまり賢いと思えない
But don't change a hair for me でも、髪の毛一本も変えないでね、私の為に Not if you care for me もしわたしを大事に思っているならね Stay little Valentine, stay! ずっとそのままでいてね、ずっと Each day is Valentine's day そうしたら毎日がバレンタインデイになる ♪」
彼が亡くなる一年前の1987年の6月14日に、東京の昭和女子大学の人見記念講堂で行われた最終公演のアルバム、「Chet Baker in Tokyo」(1987)から。
そんな彼をトリビュートした女性シンガーの一人が、彼が亡くなったオランダ、アムステルダム出身、「フェイ・クラーセン/Fay Claassen」。チェットの死後20周年にリリースされたVol.1、Vol.2の2枚のアルバムのうち、「Two Portraits of Chet Baker Vol.1 」(2006)から。