「♪ 今年は春の訪れがすこし遅くなるかも知れない。孤独なわたしの住むこの地にはちょっと遅れるかもしれない。 ・・・ ♪」 こんな歌いだしで始まるあまり知られていない春の歌のスタンダードで、「エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」や「サラ・ヴォーン/Sarah Vaughan」、「ジュリー・ロンドン/Julie London」、「リタ・ライス/Rita Reys」なども歌っている、美しいメロディの歌がある。「Spring Will Be A Little Late This Year」。今宵歌うのは、「カーリー・サイモン/Carly Simon」。アルバムは、「フィルム・ノアール〜銀幕への想い/Film Noir」(1997)。
1997年リリースのアルバムで、タイトル通り'40~'50年代の古き良き時代の銀幕を彩った犯罪映画の映画音楽をカヴァーしたもの。「Spring Will Be A Little Late This Year」も、「サマーセット・モーム/Somerset Maugham」原作の映画「Chritmas Holiday」(1944年)のために書かれた曲らしい。「カーリー」は、この歌を「ジミー・ウェブ/Jimmy Webb」のピアノ伴奏による美しいデュエットで聴かせる。
【 Spring Will Be A Little Late This Year 】 by Frank Loesser
「♪ Spring will be a little late this year 今年の春の訪れはすこし遅くなるかも A little late arriving とりわけ孤独な私の住むこの地には In my lonely world over here ちょっと遅れるかもしれない For you have left me だってあなたは去ってしまったのだから And where is our April of old あの一緒に過ごした4月は何処へ行ったの You have left me あなたが私を残して去ったから And winter continues cold ずっと寒い冬が続くのね
As if to say 春の始まりは遅れる Spring will be a little slow to start と告げるかのように A little slow reviving すこしゆっくりとした時間が必要ね That music it made in my heart 私の心に音楽がよみがえるには Yes time heals all things そう、時間がすべてを癒してくれる So I needn't cling to this fear だからこんな不安にしがみついている必要はないわ It's merely that ただ単に、今年は春の訪れが Spring will be a little late this year すこし遅くなるだけのこと ♪」