第2部は、クラシックのソロで、ラベルのピアノ・コンチェルトから。そして、実弟、サックス奏者、「小曽根啓」とのデュオが始まる。よく響く彼のサックスである。ピアノはもちろん、MCのほかは一切マイクなし。客席の隅々まで音が届いている感じ。「小曽根啓」のオリジナル曲を挟んで、ラスト曲、「ジーン・デ・ポール/Gene de Paul」の「I’ll remember April 1st」へとなだれ込む。
アンコールは、アフガニスタンの復興に生涯をかけ、2019年に命を落とした「中村哲」医師の言葉にインスパイアされたという曲、「誰かのために」をソロで。そして、ウクライナの人々に贈るといって、デュオで奏でたのは、彼がジャズ・ピアノを志すきっかけとなった「オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson」の曲、「Hymn To Freedom/自由への讃歌」。ここまでくると、もう壁は完全に崩れ去っていた。そして、客席では、スタンディング・オベーションが鳴りやまなかった。「音楽のチカラ」。
第1部 ① ヘンリー・マンシーニ/Henry Mancini:Sometimes ② アントニオ・カルロス・ジョビン/A.C.Jobim: So Danco Samba ③ 小曽根真/Makoto Ozone: Gotta Be Happy ④ 小曽根真/Makoto Ozone: Struttin’ in Kitano ⑤ 小曽根真/Makoto Ozone: 耳をすませて・・・/Listen ⑥ 小曽根真/Makoto Ozone: O’berek(オベレク)
第2部 ① ラベル/Ravel: Piano Concerto in G Major, 2nd movement ② ジェローム・カーン&オスカーハマーシュタインⅡ/ Jerome Kern/Oscar Hammerstein Ⅱ:All the Things You are(feat.小曽根啓) ③ 小曽根啓/Hiroshi Ozone: Back Street(feat.小曽根啓) ④ 小曽根啓/Hiroshi Ozone: Madam Leo(feat.小曽根啓) ⑤ ジーン・デ・ポール/Gene de Paul: I’ll remember April 1st(feat.小曽根啓)
アンコール ① 小曽根真/Makoto Ozone: 誰かのために/For Someone ② オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson: Hymn to Freedom(feat.小曽根啓)
この日演奏された曲は、「小曽根啓」作曲の2曲、アンコール曲1曲を除いて、60歳記念ソロ・ピアノ・アルバム、「OZONE 60(SHM-CD2枚組)」(2021)と、そのレコーディングン最終日に、同じ「水戸芸術館 コンサートホールATM」で、「スタインウェイD型」と「ヤマハCFX」という2台のグランドピアノを、曲により弾き分けて録音したスタンダード・ナンバー集、「OZONE 60 -STANDARDS- (SHM-CD)」に収録されている。その中から、YOUTUBEにアップされている「Gotta Be Happy」、「プロコフィエフ/Prokofiev: Piano Sonata No. 7」を ・・・。