前回、「シロバナウンゼンツツジ(白花雲仙躑躅)」が咲く「街山(まちやま)」を紹介したが、この「街山」の周辺には、「秘密の花園」と呼んでもいいくらい多くの花を見ることができる。「エドヒガン(江戸彼岸)」、「ヤマザクラ(山桜)」、「カスミザクラ(霞桜)」など「桜」はあらかた終わってしまったが、「ヤマブキ(山吹)」、「シャガ(射干)」、「タチツボスミレ(立坪菫)」、「コバノミツバツツジ(小葉の三つ葉躑躅)」など実に多くの花が咲いている。住宅街に取り残された奇跡のような渓谷と多様な植生。そして「虫生川周辺の自然を守る会」のボランティアの皆さんの活動と努力。
今宵のピアノ、音の美しさが格別であるスイスの人気ピアニスト、「ティエリー・ラング/Thierry Lang」の「秘密の花園」ならぬ、「Private Garden」。この曲を聞くと思い出すのが、スコットランド、エジンバラに住む長年の友人C氏のお宅。なんと築400年の石造りのマンションに住んでいるのだが、道路を隔てた向かい側が広いプライベート・ガーデンとなっていて、鍵が渡され住人だけが利用できる。15年ほど前だろうか、一度お邪魔した時に、そのガーデンでティーを飲みながら時間を過ごさせてもらったが、スコットランド風というか、極めて贅沢な気分と時間であった。
そして、この演奏にはまったくタイプが違う二つのバージョンがある。一つは、「Private Garden」(2003)に収録されたバージョン。もう一つは、「Reflections: Volume 1」(2004)に収録されたバージョンである。二つを聴き比べてみますか。
Private Garden
Thierry Lang Trio/ティエリー・ラング・トリオ
Elephant 6「Private Garden - Thierry Lang」
Reflections: Volume 1
ティエリー・ラング・トリオ/Thierry Lang Trio
Blue Note 「Thierry Lang Trio - Private Garden」