やっと最長10連休という大型連休が終わった。「やっと終わってくれた」というのが正直な感想である。人込みや渋滞が苦手である私(誰しもそうでしょうが ・・)は、特に定年後になってからは、遠出をせず家や近場でじっとしてなければならない、このGWというのが嫌であった。まして、ここ2年間はコロナによる規制である。
仕方なしに今年も、ウォーキング三昧、読書三昧、HuluTVドラマ三昧、JAZZ三昧を決め込んで、何とか乗り切った。読んだ本、「今村翔吾/幸村を討て」(中央公論新社)、「佐藤雅彦他/解きたくなる数学」(岩波書店)、「佐々木譲/偽装同盟」(集英社)、「黒川祐次/物語 ウクライナの歴史」(中央公論新社)」、「名越健郎/独裁者 プーチン」(文春新書)、「ステイシー・エイブラムス/正義が眠りについたとき(上・下)」(早川書房)など。そして、TVドラマは、「ロスト・イン・オーシャン 消えた大陸(シーズン2)/The Boat」、「ラ・ブレア/La Brea(シーズン1)」。いや読書三昧、TV三昧、すこし寝不足気味。
そしてJAZZ三昧。もっともコンテンポラリーなピアニストとして、私のご贔屓のひとり、「リン・アリエール/Lynne Arriale」の最新作、自身のリーダー作としては16枚目となるアルバム、「The Lights Are Always On(明かりはいつも灯っている)」を聴いていた。いや、実に心震えるアルバムであった。
彼女は1957年、ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ、63歳。もう相当なベテランである。ピアニスト&作曲家として国際的に演奏活動を行うほか、ノースフロリダ大学でジャズを教え、様々なコンクールでも審査委員を務めているという。
過去2年間に、コロナのパンデミック下、世界で起こった出来事に触発され、深い影響を受けた「リン・アリエール」が、医療従事者、介護者、真実を語る者、民主主義を守る者として活動した人々を称えるために、一連の組曲として作曲した曲を収録した渾身のアルバムである。また、このアルバムは2021年8月に亡くなった最愛の夫ドンへと捧げられているという。
彼女曰く、「このアルバムに収められた曲は、コロナの最前線で働く医師やケア・ワーカーの皆さんに捧げたものです。私にとってDr. Gattaは、その多く方たちが結晶化してなったヒーロー。毎日毎日感染のリスクに耐え、世界的危機によってもたらされた目もくらむような被害規模にも耐えたヒーローです。侵略されたクエートからアメリカに逃げてきた医師、Dr. Gattaの『コロナが終息したら祖国に帰ります。 ・・・ 何事があろうとも、・・・明かりはいつも灯っているのです。あなたたちを支えると約束します。恐怖におののく人々に向き合います。・・・・ 』という言葉に強く触発されたという。「そのような明かりを信じ、人々の善意を信じ、真実を語り人々を勇気づけるDr. Gattaのようなリーダーを信じます。きっと彼らが世界を変えてくれるでしょう。このようなヒーローのために曲を捧げます。」
悲壮感に溢れた作品ではなく、美しく力強いメロディーに、明かり(希望)を希求する彼女の強い意志を感じる。パーソネルは、「Lynne Arriale(piano)」、「イェスパー・サムセン/Jasper Somsen(bass)」、「E.J.ストリックランド/E.J. Strickland(drums)」。
英ガーディアン紙は彼女を評して、「コンテンポラリー・ジャズのもっともエキサイティングなピアニストの1人」と。
アルバム、「The Lights Are Always On」(2022)から、アルバム・タイトル曲はじめ3曲を。アルバムは、「Heroes」で感動的に締めくくられる。
Lights Are Always on
Lynne Arriale Trio
Challenge「Lynne Arriale - March On」「Lynne Arriale Trio - The Lights Are Always On」 「Heroes - Lynne Arriale Trio」