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大屋地爵士のJAZZYな生活

Snow In Summer

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 公園を歩いていると、ひときわ目立つ白い花。遠目には、まるで綿菓子のよう。まるで牡丹雪が降り積もったようにも見える。オーストラリアが原産地だという常緑樹、「メラレウカ」の「スノー・イン・サマー/Snow In Summer」という品種だという。なるほど ・・・。

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 「アジサイ(紫陽花)」も鮮やかになって来た ・・・。
  
 今宵の曲、「Blue In Green」。「マイルス・デイヴィス/Miles Davis」と、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」によって作曲された曲(諸説あるらしいが ・・・)である。デイヴィスは、1959年のアルバム、「カインド・オブ・ブルー/Kind of Blueで、初録音。一方、エヴァンスも同年に発表した「ポートレイト・イン・ジャズ/Portrait in Jazz」に収録されている。多くのアーティストに取り上げられており、ジャズ・スタンダードとして定着している。今回は、コンテンポラリーなアルバムから取り上げてみます。

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 まずは、「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」。1963年キューバ、ハバナ出身。ゴンザロが、「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden 」の作品に参加したのが、モントリオール・ジャズ・フェスのライブ、「The Montreal Tapes」(1989)キューバ音楽のボレロ・アルバム、「ノクターン/Nocturne」(2001)。2人は1986年にキューバで初めて出会い、その出会った瞬間にヘイデンは英語も理解できないルバルカバ(当時23歳)に運命的なテレパシーを感じたという。その後も、 「Land of the Sun (2004)、2005年3月に「Blue Note Tokyo」で行ったライヴの名演を収録したデュオ作品、「Tokyo Adagio」(2015)をリリースしている。
  
 その「ゴンサロ・ルバルカバ」が、偉大なるベーシスト、2014年、鬼籍に入ってしまった、故「チャーリー・ヘイデン」に捧げたアルバムが、「Charlie」(2015)。そこから「Blue in Green」を。


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Charlie
Gonzalo Rubalcaba
CD Baby








「Blue in Green - Gonzalo Rubalcaba」

     
   
  
 その流麗な演奏により、ピアノの詩人と称される「フレッド・ハーシュ/Fred Hersch」はどうでしょう。アルバム、「Sarabande」(2016)から。ベースが「チャーリー・ヘイデン」で、1986年12月に録音されたこのアルバムも、ヘイデンに捧げる再発盤としてリリースされた。
  
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 Sarabande
 Fred Hersch
 Sunnyside Records






「Blue In Green - Fred Hersch」
  
   
 この曲には、「マイルス・デイヴィス」が自ら詞をつけています。しかし、この詞を読んでも「Blue In Green」の意味はよく分かりません。怖いもの知らずです。無謀にも訳してみました。

【 Blue In Green 】 Lyrics By Miles Davis

「♪ Hues of blues and greens surround me 青と緑の混ざった色が私の周りに
  Knowing you have found another love あなたを知ってもう一つの愛を見つけた
  Has turned my world to sorrow  そして私の世界は哀しみに変わってしまった
   
  Green with envy for another  嫉妬に染められた緑はもう一つの色
  Fearing she may be the one to soar 彼女が飛んで行ってしまうのが怖い
  Through life with you, can't lose these あなたと一緒の人生 もう失えない
   
  Hues of blues in green      緑の中の青 ・・・     ♪」


 さて、歌うのは、「グレッチェン・パーラト/Gretchen Parlato」。ジャズ・ミュージシャンの登竜門として知られる「セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション/Thelonious Monk Competition」のボーカル部門で2004年に優勝、2005年にデビューしたまさに逸材、期待のシンガー。その後も、王道を往くジャズ歌手として成長を遂げている。2ndアルバム、「ロスト・アンド・ファウンド/Lost & Found」(2011)から。

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 Lost & Found
 グレッチェン・パーラト
 Obliqsound






「Gretchen Parlato - Blue In Green」
  

その「グレッチェン・パーラト/Gretchen Parlato」が師事していたというのが、ご贔屓「ティアニー・サットン/Tierney Sutton」。アルバム・タイトルも「Blue in Green」(2001)から。

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 Blue in Green
 Tierney Sutton
 Telarc






「Tierney Sutton - Blue in Green」
   

 さらに独自の解釈で別の詞をつけ、「Sky And Sea (Blue In Green)」という曲に仕立てた大ベテランがいます。私は、現代の巫女、あるいは「千手観音」と思っている「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」。マイルスへのトリビュート・アルバム、「Traveling Miles」(1999)に収録されている。


【 Sky And Sea (Blue In Green) 】
      Music by: Miles Davis/Bill Evans  Lyrics by: Cassandra Wilson

「♪ Tossed between the sky and sea   空と海の狭間に投げ出されてしまったから
  We'll sail until we find the harbor lights  私たちは港の灯をめざして航海する
  Our life is but a dream of blue in green  私たちの命は緑の中の青のように儚い
  Although it seems the end draws nearer  たとえ終わりが近づいていようとも
  With each passing day          情熱の日々が続く限り
  We'll always sail this way         私たちはずっと航海を続ける
  Until we find our home          安住の地を見つけるまで

  ・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・  ♪」


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 トラヴェリング・マイルス+1
 カサンドラ・ウィルソン
 ユニバーサル ミュージック







「Cassandra Wilson - Sky and Sea (Blue in Green) 」



   
  
by knakano0311 | 2022-06-11 00:00 | 音楽的生活 | Comments(0)
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