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大屋地爵士のJAZZYな生活

自然は積分値で動く?

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 蝉の抜け殻を多く見るが、梅雨が明けたのに一向に鳴く気配がない。はて? 私と同じようにそんな疑問を感じた人も多いらしく、NETに質問やら解説が載っている。

 厳しい暑さが続くが、なぜセミはおとなしいのか―。セミに詳しい九州大農学研究院の「紙谷聡志准教授(昆虫学)」によると、「短い梅雨と少雨が影響している」と指摘する。土の中で育つセミの羽化には気温の上昇だけでなく、まとまった雨が不可欠。九州北部の梅雨明けの平年値は7月19日で、セミの活動が活発になるのも例年その時季。ところが、今年は6月28日に異例の梅雨明け。期間も17日間と最も短く、雨量は各地で平年を下回り、半分以下の所も。紙谷准教授は「雨が少なく、タイミングを計りかねているのでは。今は『いつになったら降るのか』と待ちわびているのだろう」と見守る。観測史上最速の梅雨明けが影響しているようだ。(なぜ?梅雨明けても鳴かないセミ 押されていない「羽化スイッチ」より)

 また小学4年生のこんな地道な観察結果もある。「セミはいつ羽化するの―天気・気温・湿度・地中温・明るさの関係」。それによると、

①気温が日中 30℃以上、湿度 80%以上で晴れの日が続くと抜け穴と抜け殻が多く見つかった。
②地中温が 25℃以上になると、抜け穴や抜け殻の数が多く見つかった。
③月の満ち欠けと抜け穴や抜け殻の数は関係がなかった。

 湿度が高い状態のときに抜け穴と抜け殻が多く見つかっているということなので、梅雨の期間と雨量が蝉の「羽化スイッチ」には大きく影響しているようだ。
  

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 どうも自然はいろいろな要素の積分値で動くようで、「梅雨が明けた」という単発的な要因や情報では動かないようだ。まあ、気の遠くなるような生物の歴史の中で積み上げられたDNAのなせる技なんでしょうね。それに比べれば、民主主義の歴史なんか、吹けば飛ぶような積み上げだが、政治もそうではないだろうか。一見、瞬間の微分値が影響しているようにも見えるが、長期的には積み重ねられた積分値が政治の形を形作るのだろう。そうあることを信じて、投票所に足を運ぶために66段の階段を一歩一歩上る。
  
 その時、今年初めて蝉の鳴き声を聞いた ・・・・。
    
   
 今宵の曲、「Just In Time」。 「ちょうどよいときに...」という意味だが、私が産業人現役の時には、「ジャストインタイム生産システム (方式)、略してJIT(ジット)ともいう、「必要なものを必要な時に必要な量だけ生産する」システム・方式のことで、「かんばん方式」というトヨタ生産方式として知られていた。
   
 しかし今宵の「Just In Time」は、米国で1960年代に流行ったジャズのスタンダード・ナンバー。1956年のミュージカル「ベルズ・アー・リンギング/Bells Are Ringing」の挿入歌で、「ジューリー・スタイン/Jule Styne」が作曲を、「ベティ・コムデン/Betty Comden」と「アドルフ・グリーン/Adolph Green」が歌詞を書いた。1960年に映画化され、歌を歌ったのは、「ジュディ・ホリデイ/Judy Holliday」と「ディーン・マーティン/Dean Martin」だったという。

   
【 Just in Time 】 by Betty Comden & Adolf Green / Jule Styne

「♪ Just in time you’ve found me just in time ジャストタイミングで僕を見つけたね
  Before you came my time was running low もう残り時間が少なかったんだ
  I was lost the losing dice were tossed  何をやっても裏目に出て
  My bridges all were crossed nowhere to go 橋は全て閉ざされて行く先がなかった

  Now you here now and I know just where I’m going 今は君がいて道も見える
  No more doubt of fear I’ve found my way もう恐れなくてもいい道が見えたから

  For love came just in time  ジャストタイミングで恋がやってきた
  you’ve found me just in time ジャストタイミングで僕を見つけたね
  And changed my lonely nights that lovely day ぼくの孤独な夜を
  Just in time     素敵な日に変えてくれた ジャストタイミングで

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」


 アップ・テンポでスキャットを聴かす歌唱がいいようです。フランスのジャズ歌手、「アンヌ・デュクロ/Anne Ducros」の歌唱から。アルバムは、「Piano, Piano」(2005)。
  
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 Piano Piano
 Anne Ducros アンヌ・デュクロ
 Dreyfus






「Just in Time - Anne Ducros」

  
 ご贔屓「カーラ・ヘルムブレヒト/Carla Helmbrecht」も歌っています。デビュー・アルバム、「One For My Baby」(2003)から。

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 One for My Baby
 Carla Helmbrecht
 Heart Music







「Just In Time - Carla Helmbrecht」

     


 大御所「シャーリー・ホーン/Shirley Horn」です。「I Love You, Paris [Live]」(1994)。

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 I Love You Paris
 シャーリー・ホーン
 Polygram Records







「Just In Time (Live At Theatre Du Chatelet, Paris/1992) - Shirley Horn」
  
   
その「シャーリー・ホーン」をリスペクトする「テレス・モンカウム/Térez Montcalm」が彼女へのトリビュート・アルバム「Here's to You: Songs for Shirley Horn」(2011)で歌っています。

    
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 Here's to You-Songs for Shirley Horn
 Terez Montcalm
 Universal Import








「Just In Time - Térez Montcalm」



by knakano0311 | 2022-07-11 00:00 | JAZZ的トリビア | Comments(0)
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