今宵の曲、「The First Time I Ever Saw Your Face」。直訳すると「初めてあなたの顔を見た」。「愛は面影の中に」という邦題が付けられたこの曲は、英国のシンガー・ソングライター、「イーワン・マッコール/Ewan MacColl」が作詞・作曲した楽曲。1962年に「キングストン・トリオ/The Kingston Trio」など、数々のフォーク・グループに歌われたあと、1969年に、「ロバータ・フラック/Roberta Flack」がこの曲を収録したデビュー・アルバム「ファースト・テイク/First Take」をリリース。
これを聴いた「クリント・イーストウッド/Clint Eastwood」が惚れこみ、イーストウッド自身が直接ロバータ本人に電話をかけて、許可を貰い、監督第1作で主演の映画、「Play Misty For Me/邦題;恐怖のメロディー」(1971)で主題曲として使った。それがきっかけで大ヒットし、1972年にシングルカットしたバージョンは、同年のビルボード年間チャートの1位を記録、また、第15回グラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞をともに受賞した。さらに、この曲は1973年のグラミー賞の「ソング・オブ・ザ・イヤー (Song of The Year)」に選ばれたという。
【 The First Time Ever I Saw Your Face 】 by Ewan MacColl
「♪ The first time, ever I saw your face 初めて君の顔を見たとき I thought the sun rose in your eyes 瞳の中に朝日が昇ったように思えた And the moon and the stars 太陽だけでなく月も星もね Were the gifts you gave 君がくれた贈りものだと思った To the dark, and the endless skies 果てしなく続く暗闇の世界へのね My Love 愛する人
And the first time, ever I kissed your mouth 初めてキスをしたとき I felt the earth move in my hands 僕の手の中で地球が震えたかと思った Like the trembling heart まるで小鳥の Of a captive bird 心臓が震えるように That was there, at my command この世界でも願いがかなうんだと My Love 愛しい人
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「ロバータ・フラック」のベスト・アルバム、「Softly with These Songs: The Best of Roberta Flack」(1993)、オリジナルは「First Take」(1969)に収録されている。
ご贔屓のノルウェー出身、「インガー・マリエ/Inger Marie」。アンニュイで少しダーク。大人のムードを湛え、いぶし銀のように鈍い光を放つ。一度聴いたら、その声が深く心に刻まれる、そんなシンガー。「ビートルズ/The Beatles」、「スティング/Sting」、「ロバータ・フラック/Roberta Flack」などのカバー・アルバム、「My Heart Would Have a Reason」(2009)から。