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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(99) ~ サンライズ・サンセット ~

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 年賀状を書きあげた。と言っても、プレゼン用のアプリで文面を作り、住所管理ソフトで宛名を印刷するだけなの賀状だが、枚数は現役時代に比べ、大幅に減らしている。しかし、毎年作るのが結構面白く、「年賀状仕舞い」には、まだまだの様である。この一年の夫婦二人の生活、老い方、家族、趣味、訪れたところなどを振り返り、数枚の写真と短文で報告するのが、常になっている。ここ10年くらいを並べてみると、変化がないようでも、やはり変化はあり、ここしばらくは、コロナで生活や旅行が制限されていたことがよくわかる。そして、一年があっという間に過ぎてしまうことを改めて実感。頭の中には、あの美しい曲が、思い浮かぶ ・・・。

 久しぶりの「60歳過ぎたら聴きたい歌」は「サンライズ、サンセット/Sunrise,Sunset」。この曲は、今は戦争真っただ中ですが、帝政ロシア末期のウクライナのユダヤ人集落で、牛乳屋を営むテヴィエ夫婦と娘たちの人生を描いた、1964年の米国ミュージカル、「屋根の上のバイオリン弾き/Fiddler on the Roof」で、夫婦の長女と集落の仕立屋の青年の結婚式での歌われる美しい歌。1971年には、映画化もされ、日本でも「森繁久彌」や「西田敏行」の舞台でもよく知られていますね。


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 歌い手は、「ビロードの歌声」と称される「ジョニー・ハートマン/Johnny Hartman」。初めて聴いたのは、学生時代よく通っていた仙台のB軒であった。とりわけ、この「サンライズ・サンセット」の歌には魅了された。
  
 収録されているアルバムは、「ザ・ヴォイス・ザット・イズ !/The Voice That Is !」(1964)。絶頂期のハートマンの傑作アルバムで、いつ聴いても飽きることがない。そのアルバムの最後の曲で、ギターとマリンバの伴奏とともに感情を抑えながら歌われ、ゆっくりと感動的な余韻を残して終わる。
   

【 Sunrise ,Sunset 】  作詞 Jerry Bock 作曲 Sheldon Harnick

「♪ Is this the little girl I carried? この娘は、昔私がよく抱っこしたあの子?
  Is this the little boy at play?  この青年は、昔私がよく遊んであげたあの子?
  I don't remember growing older, すっかり大きくなって思い出せないわ
  When did they?       いつこんなに立派になったの

  When did she get to be a beauty? こんなに美しい娘になった今
  When did he grow to be so tall?  こんなにたくましい青年になった今    
  Wasn't it yesterday when they were small? 幼かった日々があったなんて

  Sunrise sunset, sunrise, sunset, 日が昇り、日が沈み、また日が昇り、日が沈み
  Swiftly flow the days,      一日が足早に流れていく
  Seedlings turn overnight to sunflowers, ひまわりの種が一夜にして成長し
  Blossoming even as they gaze...  花を咲かすのを見守ってきた

  Sunrise sunset, sunrise, sunset! 日が昇り、日が沈み、また日が昇り、日が沈み
  Swiftly fly the years,       一年があっという間にたってしまう
  One season following another,  季節が前の季節を追いかける
  Laden with happiness and tears... 幸せと涙をはこびながら   ♪」

 
    
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 ザ・ヴォイス・ザット・イズ! (紙ジャケット仕様)
 ジョニー・ハートマン
 ユニバーサル ミュージック クラシック







「Johnny Hartman ー Sunrise, Sunset」

   

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 12月14日付けの朝日新聞に、第149回「直木賞」を受賞した小説家、「桜木紫乃」のエッセイが掲載されていた。タイトルは、「サンライズ サンセット」。

 『倍賞千恵子さんの生のステージを見た。 ・・・・ ラストの一曲は、「サンライズ サンセット」だった。なぜかタイトルの歌詞が繰り返されるたびに、切なくなる。胸が締め付けられながら、日が昇って沈むように人の世もうつろいながら流れていくのだと、美しい歌声に諭されているような気がして仕方なかった。 ・・・ 
  
 舞台がはねた倍賞さんとお話しできる場があった。「サンライズ サンセット」について「凄みがあったんです。怖いくらい」と正直に伝えた。彼女は静かに言った。「いつも、これが最後かもしれないって思って歌っているの」 ・・・ 女優の台詞は日常の棚に置いてなお光る。 覚悟の二文字が否応なくこちらの胸に流れ込んでくる。泣きそうになるのを堪えながら同じ空を見上げ、思い出に残る月を目に焼きつけた。ビバ、人生。』


 その「倍賞千恵子」が歌う「サンライズ サンセット」。「桜木紫乃」ように心に響いたでしょうか。


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 3LP(東宝ミュージカル実況盤)/森繁久彌ライフワーク
 屋根の上のヴァイオリン弾き ’77中日劇場









「サンライズサンセット - 倍賞千恵子」

     






by knakano0311 | 2022-12-16 00:00 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(0)
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